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【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約BL №23_召喚術の授業は××な魔物と、 

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。


 
グシャ、グシャ…

不気味な音が響いていた。
それは何かを噛み潰すような、咀嚼音に似ていた。
おぼろげな意識の中で、嫌な音だと思った。
それと同時に、強い性感が止んでいることに気づいた。

体も少し動かせそうだ。
ゆっくりと顔を動かし、あたりの様子を伺う。

 

「…ヒッ!?!」

花が、花だった魔物同士が、共食いをしていた。

成長しきったバナナの木のようだった花は、さらに二回りくらい大きくなっていた。
また姿も木の根のようなもので二足歩行をする魔物に変化していた。
俗に言う、トレントに近い。

それが5体ほどいたが、目の前で4体となった。
一際大きく成長した1体が、逃げ惑う他の個体を捕らえては食べていたからだ。
 

(見てる場合じゃないだろっ!今のうちに逃げないとっ…!!)

しかし、体はまだ完全には毒が抜けていない状態だった。
立てはするだろうが、歩くのはやっとだろう。

僕は仕方なく、ほふく前進のような形で、温室の出口を目指した。
移動速度はのろいが、花達の気は引きにくいはず。

(あと3体の魔物が咀嚼されたら…)
残った1体の、次の獲物となるのは、……僕だ。

後ろから聞こえてくる、捕食された魔物の悲鳴が僕を急かす。
(早くっ…早く、ここから離れないと…!)
しかし焦る気持ちとは裏腹に、地面に擦れるたび体からは力が抜けそうになった。
 

「はぁっ、…はァ…っ、…は、ぁっン…」
催淫効果の残る火照った身が些細な刺激にも快感を見出すせいで、体の操作が覚束ない。
(はっ、早く…っ!お願いだから、もう少し早く動いてくれよっ…!!)
来た時は数十歩ほどの距離しかなかったはずなのに、随分長く感じる。

なんとか半分まで、は来ただろうか。
背後で響く、咀嚼音が少し遠のいたように感じた。
 

(あと、5メートルくらいか…?)
後ろを振り返る余裕も勇気もない僕は、ひたすら温室の出口を見据えて這い進む。

(もう少し、もう少しだ…)
出口まで、あと1メートルもない。

 

手を伸ばせば、出口に触れる…
 
 


今回はここまでにします~
ではまた~ 

1話目はこちら

https://note.com/naikoutekibotti/n/n33f984d0a9a4



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