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たべものの通販で、あまり知られていないこと

大通販時代

今や通販は世の中になくてはならないインフラの1つになりました。
コロナ禍によって、さらに通販を利用する層が広がり、利用人口が増えました。これまで通販を使わなかった人も使うようになり、通販は世間にとってより普遍的なものになりました。
その一方で、通販を利用する消費者のリテラシーがもう少し高まってもよいと考えています。食品通販事業に携わっています。「あまり知られていないけど重要なこと」を(私が伝えられるわずかの人であったとしても)より多くの人に知ってほしい、と思い、この記事を書いています。
今回お伝えしたいことは、たった1つだけなのです。その1つの事柄がいかに問題か、どう解決したいか、を述べます。

受け取ってもらえなかった食品は、2度と売ることは出来ない

食品通販を行っている多くの事業者は、1度出荷した商品が受け取ってもらえなかった場合、廃棄しているのです。なぜなら、食品衛生法などの法令に「安全な食品提供をすること」を義務付けられているからです。
通販で出荷される商品は、受け取られることが前提として品質を管理しています。受け取ってもらえないと、想定外のルートを輸送されたり、それにより温度管理や品質管理が、想定されていない状況になることが考えられます。事業者が想定していない状況で取り扱われることになりますから、自信を持って安全だと言い切れなくなるわけです。
万が一、そのような商品を再販したとき、当局から指摘されたり、最悪、お客様健康被害が出たりした場合、事業を畳むことになりかねません。そんなリスクは犯したくない事業者が多いのはご理解いただけると思います。
ただし、一言に「食品通販」といっても例外はあります。あくまで「事業者が安全を保証できること」が大事ですから、商品特性上、安全と言い切れるものもあると思います。(たとえば、缶詰や常温の保存食など)
食品通販の約1%が受け取ってもらえてない、と言われています。食品通販の市場規模は約4兆円ですので単純計算で400億円分の食べ物が受け取ってもらえていないことになります。つまり、通販だけで400億円分の食べ物が捨てられている、と言えます。どれほどの量になるか、想像したくありません。

何故受け取らないのか?

経験上、受け取ってもらえない理由は以下の2つの理由が多いです。
①長期不在
②受取辞退


①長期不在は、字のごとく「ずっといない」ということです。
配送会社はそれぞれ保管期限を持っていて、その期間中に届けられないと出荷地などに返送します。決まった期間中に受け取ってもらえないと、それは食品を捨てていることと同じです。
②は、「要らない」と玄関で受け取りを断れるいうことです。
掘り下げると、「こんなもの頼んでいない」「やっぱり要らなくなった」などの理由です。私個人としては、この理由で受け取ってもらえないのが一番悲しい気持ちになります。

これからどうしたいか、どうしてほしいか

食品通販に携わる者として、食品廃棄には強い問題意識を持っています。
この分野での食品廃棄を大きく減らすために、お願いとアイデアを1つずつ書きます。

計画的に購入してください。

どんな物がいつ届くのか、覚えておいてください。
届くときにお家にいてもらうか、配送業者のセンターで受け取りをお願いします。頼んでいないものは滅多に届きません。もし、記憶にないものが届いても開封前に、本当に頼んでないか、注文した記録などを確認してください。
受け取って、美味しく食べてほしいのです。これはお願いです。

アイデア:食品を再流通させる仕組みを作る

食品を安全に再流通させる事業を考えています。
物の流れ自体はなんとかなるでしょう。今はフードバンクなどのNPO団体などもありますし、社会への貢献度も非常に高いですし、SDGsの認知度も高まってきて、食品廃棄問題の社会的な関心も高くなってきています。
400億円の市場規模があります。これはビジネスチャンスです。もちろん、安全性の確保など問題は山積みですが、意義や価値の高い事業になると確信しています。

受け取らなければ支払い義務が発生しないことが多いので「お金を払わなくていいし、受け取らなくていいや」とか「賞味期限はまだまだあるはずだから、別のお客さんに売れるだろう」などと考えている人で、ここまで読んでくださった方は、きっとこれからのこ行動を買えてくださると信じています。

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