定年後の働き方と自分のモチベーション
シニアの話題はよく書いているような気がしますが、また少し考える機会がありました。
わからなくはないけど・・・
以前に勤務していた会社で、私より少し年上の女性が退職することになりました。男性の多い職場で数少ない女性管理職を務めた方です。
すでに定年を過ぎて嘱託として働いていたので、今回はご家族の都合で退職を選ぶことになったそうです。
久しぶりに仕事のことや会社のことを話す時間がありました。
その時にこんなことを言っていたのです。
「定年過ぎるとモチベーション下がるわね~。世間より給与の下がり方はマシだけど、昇給するわけではないし、評価表もあるけど正社員に比べたらざっくりだしね。がんばろうという気持ちにはなれないのよね」
割とよく出てくる意見なので違和感はないのですが、個人的にはいつもしっくりきません。
なぜだろうと思うのですが、定年という年齢で線を引かれて、それでも自分は定年前と同じようにがんばっているのに会社は評価してくれない、と言っているように聞こえます。
自分のことを認めてくれないという不満でしょうか。
定年は「リセット」
誤解を恐れずに言うと、定年はその会社での実績やキャリアが一旦リセットされるためにあるのではないかと思っています。
若い人は何もできないところから、少しずつ成長して給与が上がっていきます。そこには「成長」が必ず必要になります。
シニアは定年時に一般的には「退職金」というものが支払われ、それまでの功績に報いています。
なので、これをもらった時点で会社での功績は一旦リセットだと思います。
定年後に評価されたい、昇給したいと思うのであれば、若い人に負けないくらいの「成長」もしくはこれまで以上の「貢献」が要求されるのではないかと思います。
実際のところ、定年後もこの人は絶対残ってほしいという人が一定数存在します。人事の方から「こういう人が辞めないようにするにはどうしたらいいか」なんていうお話を聞くことがあります。
中小企業の場合は、そういう方は貴重な存在なので、定年を待たずに会社側の意思表示を早くするように伝えています。
そういう場合には定年前の給与を下げることはしません。中には定年前は他の人とのバランスがあるため大胆な差はつけられませんが、定年後は以前の年収よりも高いオファーを出すケースも一部ですがありました。
そうやって「残ってほしい」という意思を示すことが大事です。
2度目の人生、生き方は自分で決める
まあ、こういうケースは本当に稀なケースです。ほとんどの人が、問題はないから「働きたいのであればどうぞ」という感じでしょう。
中には本音で言えば「残ってもらっても・・・」という人もいますが、法律で65歳までは希望があれば働く場を提供することが企業では義務になっています。
実際のところ、働く日数や時間を減らして、給料を下げて雇用するというケースは割と多いです。
どこかで聞いたのですが、60歳は人生が一回りした。そこから先は2度目の人生のスタートだと。
ちょっと気にいっている言葉です(笑)
上記の記事の中で
・自分のやってきたことはもう通用しない
・敬われる対象ではなくなった
と、勝ち負けにこだわった生き方をするのはツライとありました。
個人的にはそうだなと思っていますが、定年前と同じように「勝ち負け」にこだわりたいなら、2度目の人生リスタートですから、一からがんばれば良いのだと思いました。
定年後も同じ会社で働くというケースが多いと思いますが、「要らないって言われるのが怖い」「(自分は正しいのに)自分の言っていることを聞いてくれない」というようなことを耳にします。
時代は変化していますから、同じことを同じようにしていてるように見えても、必要とされることは変化しています。必要とされたいのであれば、何が必要とされているのか自分で取りにいくことが必要です。
シニアには若手にない経験がありますから、それが十分可能だと思います。
同じところにとどまっていては、いつか要らないと言われる時がきます。
誰かが○○してくれないからモチベーションが上がらないではなく、自分の人生、こういうふうに歩くと決めることが、自分のモチベーションを上げることにつながるのではないかと考えています。