会議を片手間にしてしまうとうまくいかない
新年度がスタートして人事異動などもあり、新しい役割や人にも変化があったと思います。こうした中、同じことをやっても上手くいかないことがあります。
今回はあるお客様の会議で感じたことを書こうと思います。
去年までと同じことをやっているのに
こちらのお客様は本部機能と現場の所在が分かれています。
売上、利益を上げるには現場が動かなければどうにもなりません。
利益を上げるためには現場をいかに動かすかが重要になってきます。
本部の役割はそういうところになるのですが、外部機関との折衝だったり幅広い仕事があります。
本部の人はそれぞれ担当を持っています。
今回、人事異動がありこの会議の責任者も変更になり、現場のメンバーも入れ替えがありという状況で新年度がスタートしました。
会議の主な目的は売上を上げるために、バラバラに散らばっている現場店舗の情報共有や、どうやって売上、利益を追求していくかなどが話し合われる場になります。
また本部からの施策の意図や現場からの意見交換なども大きな目的の一つです。
各現場で上手くいったことや課題の共有など、上手く機能していなかったため2年ほどサポートさせていただき、前年度は目標売上を十数年ぶりに達成し過去最高売上をたたき出しました。
という状況で、いつまでもコンサルがいないと会議ができないようでは困るので、この会議は今年からは自分たちで実行するということになりました。
とは言うものの私も心配になり途中まで見学させてもらうことにしました。
ところが・・・同じように進んでいるようには見えるのですが、なんだか重たい空気が流れています。進行役は去年と同じ人ですが、指示が曖昧で現場のメンバーは戸惑っていました。
休憩時間には「もう少しちゃんと指示してほしいよね。この会議自分たちは来なくてもよかった?」というような不満の声が聞こえてきます。
目的を見失って得意な仕事に逃げる
今年は役割や責任の分担が変更になりましたが、売上の管理方法の変更だったり、手を付けられていなかった部署の売上向上など新たに取り組む課題があります。
新年度始まったばかりということで準備が間に合っていないということは仕方ないとしても、どうしてこんな風になっていたのか?
それは本部のメンバーが会議に対して優先順位を下げてしまっているということだと思いました。
言い方を変えると、会議を何のためにやっているのか考えずに、自分の担当にくっついている面倒な業務になっているように見えました。
会議前に本部メンバーと個々に話した際に「自分の担当ではない」というような意図が感じられました。
一応、主催責任者が決まっていたのですが、メンバーの事前打合せは全くできていなかったそうです。
結局、この会議は主催責任者がやるものという認識だったのではないかと思います。自分ごとになっていないのです。
しかし利益を上げるためにこの会議の位置づけを考えたら、色々な課題を解決するために現場ときちんと話し合う場はこの会議しかないのです。
利益を上げるために貢献するのは各自の役割です。
これを理解していれば、この会議を利用してどういうことを現場に下ろすか?何を伝えてどう動いてもらおうかなど、自分たちの仕事の軸になるはずなのです。人は違いますので、どう話し合うかはとても難しい仕事です。
逆にここを上手く使えれば確実に成果が上げられる場所になるはずです。
そこを忘れて、自分の担当の仕事を優先して得意な(楽な)仕事に逃げているのではないかと思いました。
実際には今年テコ入れする部署の責任者は忙しいという理由で会議には来ていませんでしたし、先ほどの進行役の人は別の役割を今年度担うことになっているそうですが「別のことって言われたのに、結局やらされている」と私に愚痴を言ってきました。
会議にのぞむ本来の目的を見失っていると思った瞬間です。
コミュニケーションはコスト
現場のある責任者から、会議が多い。負担になるのでもう少し効率的にやるとか、少なくしてほしいという意見が出されました。
まあ上記のような会議ではそう思われても仕方ないとは思いますが、会議はコミュニケーションの場です。
離れた場所で仕事をしているからこそ、お互いの考えを持ち寄りズレを確認しあい、同じ目標に向かって成果を上げるために課題を解決していく場です。
これができて初めて自分たちで決めた目標に向かって動くことができます。本部が現場のことを考えずに出す指示をやるならやらされ感満載です。
一見、無駄な時間に見えますがコミュニケーションはコストです。
コストを掛けるから何か得られるものがあるのです。
掛けなければ何も生まれないのです。
新しい挑戦をするからこそ、コストをかけなければ前へ進めないのです。
そのためにお互いに、どうこの場を使うべきか有意義な時間にしてほしいです。
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