【読書録】君のクイズ 小川哲
あらすじ
生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される!
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!
感想
今年の本屋大賞ノミネート作品である本作。タイトルからはイメージしにくいですが、れっきとしたミステリの側面があります。
なぜ対戦相手は問題文を聞かずに正解できたのか?この一つの疑問から物語が展開されていく様はまさにミステリです。主人公の一人称視点で物語が進むため、一緒に推理している感覚になりました。これは本格ミステリや多くの名作といわれるミステリでは味わえないと思います。最近私が読んだ中では、「自由研究には向かない作品」が同じテイストでした。
一人称視点のミステリは主人公が探偵やその関係者ではなく、推理を初めてするというものが多い気がします。本作も主人公が自分の中に生じた疑問に、無我夢中となって挑んでいきます。
クイズプレイヤーならではの発想を味わいないながら、真相にたどり着くという新しい体験を味わえました。
私はYoutubeでクイズ系のチャンネルを見ることが好きなので、今後はプレイヤーの気持ちが分かりより一層楽しめそうです!
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