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アラフィフ独身が日本の生涯未婚率と少子化を考えてみた

日本の少子化問題が叫ばれるようになって久しいですが、今なお子どもの人口は減る一方。政府も「ニッポン一億総活躍プラン」なんてスローガンをかかげて対策を実施しているにもかかわらず、どうしてこんなことになってしまったのか。その責任の一端があるアラフィフ独身の私なりに、原因と解決策を考えてみました。

少子化が始まった最大の原因

「少子化」という言葉が初めて使われたのは1992(平成4)年度の国民生活白書です。1992年は第二次ベビーブーム世代を含むジェネレーションX(1965~1980年生まれ)が27~12歳の頃であり、本来であればこれから結婚・出産を迎える人口が増えていく時代。ところがちょうど前年の1991年に起こったのがバブルの崩壊です。よい大学に行ってよい会社に入れば、あとは定年まで終身雇用が保障されるという団塊世代の常識が崩れさった時代でした。私が社会に出たのもバブル崩壊後の就職氷河期の頃。姉のいる友人が数年前に姉が社会に出た頃は売り手市場で5~6社の大手企業から内定をもらえていたのに、自分は受けたかった会社の新卒採用すらないと嘆いていたのをおぼえています。

価値観の2極化

私自身、学生時代までは保守的な考えをもっていました。アメリカの大学に編入しようかと迷っていた友人に、このまま日本の学校にいる方がいいよとすすめていたくらいです。しかし、社会に出て数年後の一般的に適齢期と言われる20代半ばに会社を辞め、夢を求めてイギリスに社会人留学をしました。周りにもアメリカやタイや香港など、目標をもって留学や移住を決断する友人が多く、当時は自分が特別な価値観をもっているとは考えていませんでした。もちろん、結婚して安定した暮らしを求める友人もいましたが、将来を切り開くため次のステージに旅立っていく前者の方が 7:3 の割合で多数を占めていました。これは数年前に入社した先輩社員との待遇の差にあきらめを感じ、どうせなら好きなことをして生きていきたいという価値観のシフトがあったと思っています。こうして築いた自分のキャリアを結婚・出産で中断することができずに未婚を選択した女性はこの世代に多かったと考えます。

引用元:内閣府  第1部 少子化対策の現状(第1章 3)

現在の結婚できない原因

私が社会に出た頃と、現在の若者の就職に対する考え方は変化しています。夢を追って海外に出たいと考える人は減り、収入があればよいと考える安定志向の人が増えています。

引用元:マイナビ  この20年における「学生の就職観の変化」とその背景にあるもの

では、安定志向の人が増えたのに、なぜ現在も結婚する人が増えないのか? 残念ながら日本の平均収入は過去30年間横ばい。私が社会に出た頃から変わっていないのです。また、社会に出たら独立して1人暮らしをする欧米とは異なり、日本では実家暮らしを続ける人が多い傾向があります。欧米では1人より2人で暮らした方が経済的にメリットがあることから同棲・結婚に向かいますが、親の援助の下で実家暮らしをしている日本の若者にとって、収入の少ない相手と暮らすことは生活レベルを下げることに直結します。今までの生活レベルを下げる決断は、なかなかできないですよね。

結婚率を上げるポテンシャルはある

とはいえ、今の若者が恋愛自体に興味がないのかというと、そうではありません。マッチングアプリの市場規模は今後も右肩上がりの予測です。AIが見つけてくれた相手との恋愛が結婚に結び付くかどうかは、政府が収入を上げる対策を実行できるか、また子育てしやすい環境を提供できるかだと思っています。

引用元:消費者庁  マッチングアプリの動向整理

国が少子化対策に苦戦する中、兵庫県明石市は所得制限を設けずに子育て世帯と子どもたちを支援する政策を実行し、9年連続で人口増加を達成、出生率も上昇し全国平均を上回っています。

明石市の5つの無料化がこちらです。
出典:子育てするならやっぱり明石/明石市

  • こども医療費の無料化

  • 第2子以降の保育料の完全無料化

  • 0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」(2020年10月スタート)

  • 中学校の給食費が無償に(2020年4月スタート)

  • 公共施設の入場料無料化

明石市の泉房穂市長はお金がない時ほど子どもにお金を使うべきだと訴えています。子どもを支援することによって子育て世代が住みやすい街になり、人口が増え地域が活性化する。地域が活性化すると税収が増え、さらに子どもを支援できる。こうして子育て世代だけではなく、街全体によい循環ができるんですね。

まとめ

アラフィフ独身の私は、かつて結婚しない生き方を選択しました。それは自分のキャリアをあきらめなければならなかった、ということが最大の理由でした。残念なことに、社会の状況はあれから20年近くがたつ今も、何も変わっていないなと感じます。結果の出ない対策は何もしていないのと同じ。私が身を置くWebライティングの世界では、成功事例の型を習得することが重要です。せっかく明石市の成功事例があるのだから、全国の自治体が明石市の型を習得し、子どもが元気な社会が広がっていくことを切に願っています。


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