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『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』ジェーン•スー 感想


『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』
ジェーン•スー

「ここまでちゃんと自分のことを理解して語れるか?」私はまだ自分が自分をちゃんと理解しているとは思えないし、人に語ることも出来ない、と読み終えて感じました。
そして、13人の女たちが語れることに尊敬の念を抱きました。自分が何を大切にし、何が欲しくて、何を心地よいと感じ、どこに向かって、どんな方法で努力すれば良いのか、それを分かって自分の人生を突き進んでいる人がどのくらいいるんだろう、そう思いました。
『おわりに』でスーさんが書いていた

「自分の人生の舵を決して手放さない」

P267

まさにそれだ!とこの本を読んで感じたエネルギーの源の正体を見つけた思いがしました。

先月末で仕事を辞めて、《次のことはゆっくり考えよう》と思っている私にとって、自分が何をしたいのか?どう生きていきたいのかを考えるタイミングで、この本に出会えたことは、ラッキーでありとても勇気づけられました。

今はまだ自分の進むべき方向や努力の方法がちゃんと言葉に出来なくても、《やれるはずだ》という根拠なき自信を授けてもらったような気がします。
それぞれのやり方で自分の人生を切り拓いてきた(当人たちは、そんな風には思っていないかもしれないけど)姿を読ませてもらって、スーさんが、冒頭で語っていた『たまには、自分の人生を手にした女の話に励まされ、項垂れていた頭が前を向いたっていいじゃない』がほんとにそうだよな、と改めて頷いてしまいます。
《人生を歩いてきた》ではなく、切り拓いてきたという言葉がふさわしい。

《私の味方は私しかいない、私を救ってあげられるのも私しかいない》そう思って仕事を辞めた(辞めたてほやほや)ので、この本の持つエネルギーに気圧された部分もありました。
けれど、《自分の人生の舵を手放したくない、このまま我慢して生きていくのはいやだ》と思っていた私の心にスーさんの『はじめに』と『おわりに』の言葉は乾いた大地に雨が降り注ぐように染み込みました。13人の女たちの話と同じくらい、とっても心に響きました。

そして、13人の女たちの闘いの一部を見せてもらって、私も奮起しなくちゃなと感じました。

この本から得たものは、励まし、勇気といったあたたかい応援であり、癒しでもありました。
プラスのパワーをもらえると同時にスーさんの言葉には寄り添って癒してくれる静かなぬくもりを感じました。

《この本のパワーを受け止めきれないかも》、という少しの躊躇はありましたが、思いきって読んで良かった。
心の体力が十分でない時に読むにはしんどいかもしれないけれど、確かに私たちと同じ女が花を咲かせている、そのための道筋を(13人も!)見せてくれていることに、元気をもらえると思います。

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