ワード・オブ・ザ・イヤー - 【開封率第10位】2019年12月23日のニュースレター
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2019年10月8日から始めたこのDearmedia Newsletter、丸一年が経ちました。
そこで、1年間を通して開封率が高かった内容を限定公開していきます。
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米国の辞典の出版社、Merriam-Webster社が今年のワード・オブ・ザ・イヤーを「they」に決定したと発表しました。
ご存知の通り、これは「彼ら」という代名詞ですが、近年ではノンバイナリ(性別を女性・男性のどちらでもないと認識する人々)を指す場合が増えています。
アメリカ英語の権威でもあるMerriam-Webster社は
なぜ「they」を今年の言葉として選んだのでしょうか?
【本日のピックアップニュース】
今年に入り「they」という単語は、基本的な用語にも関わらず
検索された言葉のトップに入り、昨年に比べ検索回数が313%もアップしました。
歌手のサム・スミスが、自分はノンバイナリで「they」の代名詞を使い始めたと発表した時や、ノンバイナリモデルのオスロ・グレースがパリのファッションウィークに出演した時など、有名人が絡んだニュースがいくつかあったり、Twitterのプロフィールにtheyを使う人が増えたり、メールの署名や会議の名札などでも見かけるようになったことが影響しています。
「they」は600年以上も、性的に中立な代名詞として使われてきましたが
こういった動きを受けて、Merriam-Webster社は今年(2019年)9月、ノンバイナリの一人の人を指す単語として辞書に「they」と「themself」の新しい定義を追加しました。
また発表の中で「辞書は言語自体に関する情報の重要なソースであり、このような言葉の使用のシフトは、社会の変化に関する研究と解説の対象となっています」と述べられています。
つまり、社会の変化に対してより注目を集めるために
ワード・オブ・ザ・イヤーに選んだということのようです。
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礼儀を重んじる日本では、この言葉の使い方は失礼だ、失礼じゃない、といった話題がよく出ます。
最近でも「了解しました」という言葉が目上の方には失礼になるので「承知しました」と言うようにしましょう、といつからか言われ始め、あっという間に定着してしまいました。
国民性が言葉の選び方に出るように、時代の変化がどのように起こっているのかを感じるのも、言葉に注目するのが一番早くて的確です。
愛という単語が存在しなかったら
形も重さもない「愛」を、人間は認識できません。
なんだかわからないけど軽やかで暖かくなるような感じ、といった説明をしても、それが「愛」だと共通の認識を持てるようになるには、時間がかかります。
このように、人間は言葉にしないと、その存在や定義があるということを共有できないのです。
その意味で、言葉にしていくということはとても大切ですし
ここに存在している、と主張したければ、言葉を作ってしまうのが手っ取り早いです。
なので、新しい言葉というのは、それが出現し一定の数を超えて必要としている人がいる、という証拠になります。
日本で発表されるのは「流行語大賞」なのに対して、米国で古くから辞書を作ってきた会社が「今年の言葉」として発表したというスタンスの違いも、興味深いところです。
いっとき使われるだけのバズワードではなく、社会の流れとしてどういったことが起こっているのか、それを見極めようという姿勢がこのタイトルの言葉からも感じられます。
今年もあと1週間。
今年の振り返りをしたり、来年の目標を意識し始めたりする時期でもあるかと思うので、ぜひ言葉のひとつひとつを丁寧に意識して形づくってみてください。
きっとパワフルで、わくわくするような
そんなつくり方ができると思います。
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