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情熱のシェア - 【開封率第7位】2019年11月26日のニュースレター

私は毎朝、ニューヨーク・ロンドン・パリ・ミラノ・東京から生まれる約1000記事をチェックして、週2回、ニュースレターを書いています。
2019年10月8日から始めたこのDearmedia Newsletter、丸一年が経ちました。
そこで、1年間を通して開封率が高かった内容を限定公開していきます。

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本屋さんがどんどん無くなっています。

2019年5月時点での日本の書店数は1万1446店。前年比で580店減少し、この10年間では最大の減少幅となりました。

20年前に2万2296店だった書店数はこれで48.7%減とほぼ半減しました。

盛者必衰、諸行無常、人間万事塞翁が馬を信じている私としては、この現象がどんなふうに展開していくのか楽しみなのですがやはりというか、違う形態にして「入場料を取る書店」が流行しているそうです。

【本日のピックアップニュース】


六本木の一等地にあった「青山ブックセンター」の跡地に、「文喫(ぶんきつ)」という書店がオープンしました。

ここは、1500円の入場料が設定されている本屋さん。

店内は4つのエリアに分けられています。
・3万冊の本がある「選書室」
・コンセント付きの「閲覧室」
・会話ができる「研究室」
・軽食が食べられる「喫茶室」


気に入った本があればもちろん購入できますし、有料ですがその人にあった本を選んでもらえる、選書サービスもあります。

選書サービスで選ばれた本は、「なぜそれを選んだのか」が書かれた栞がはさまっていたり、3万冊の蔵書には1冊も同じ本がなかったり、一見無造作に置かれているその配置にも意味があったり、靴をぬいでリラックスできるクッションスペースがあったりと、細やかな仕掛けがたくさんあります。


休日には行列ができるくらいになっているそうですが、多い日には1日200名ほど、平均滞在時間は3~4時間、来店客の4割が書籍を購入するとのこと。

客単価は通常店舗の3倍だそうですが、入場料、飲食料、本の売り上げを全部合わせて収支が取れている状態です。


リアル店舗がショールーム化しているという話は、本だけではくアパレルでも電化製品でも家具でも聞くようになりました。

ニトリでは全ての商品に、アプリに誘導するようQRコードをつけてそのまま宅配まで完了させるようにしています。その結果、2019年2月期の決算ではネット通販の割合が前期比27%増となり、増収増益に貢献しました。


デジタル化が進んだ現在、「リアル店舗をどうするか」という問いは、お客様のニーズをどうピックアップするかで道が見えてくるような気がします。

デジタルが進んだ現代だからこそ、リアルの価値があるように思えてならないのです。

文喫は、お客様のニーズを考えた時に、本屋という場所を「ショールーム+ワークスペース+喫茶店+コンサルティング」の場所にしたように見えます。

そしてこのコンサルティングに価値をつけ、収益にしている部分が素晴らしいと思います。

この記事の中で、ジュンク堂新宿店が閉店するときに書店員が自発的に行った「本音を言えばこの本を売りたかった!!フェア」のエピソードが語られています。


書店員が自発的に本を持ち寄り、1冊1冊に、手書きの熱いメッセージ付きポップが丁寧に添えられ「本音を言えばこの本を売りたかった!!」と大きく書かれた棚に並べられたこのフェアは

「ジュンク堂新宿店が、店員さんたちの愛と狂気で満ちているらしい」

「ジュンク堂新宿店の店内がすごいとはよく聞くが、それが本来の小売業なのよね」

とSNSで話題になり、結果的に売上は通常の2~3割増となりました。

このことを参考に、文喫の担当者が「それまで知らなかった知識との偶然の出合い」を収益にしようと考えたことが入場料という形になったそうです。


これはつまり、コンサルティングフィーを入場料という形でいただきます
ということなのですが、私には、実はそれが「情熱の収益化」に見えて、本当に感動しました。

書店員になる人は、たいてい本が好きな人です。
パティシエになる人は、たいていスイーツが好きな人です。
花屋になる人は、たいてい花が好きな人です。

もちろん好きの程度は人それぞれでしょうが
「好きだから関われる仕事がしたい」と純粋に思い、
そのことに関する知識を増やしていったら、お客様に喜ばれるようになって、
そうしたらもっともっと好きになってしまい、
経験や知識がどんどん増えていって、そのことをまたお客様に還元できるから楽しい!というその情熱を収益につなげた、素晴らしい発想だと思ったのです。


日本では特に、好きなことを仕事にすることがとても難しいことだと思われています。

努力して勝ち取ったもののほうが価値があるように見えたり、世の中そんなに甘くはないと言われたり。


個人的には、全く逆で努力しないのにスイスイできて、周囲から「すごい!」と言われることでさらに自分が好きなことを仕事にできたらそれが最強だと思うのです。

好きなものへの情熱や得意なことへの信頼を
うまく収益に繋げていって
世の中に貢献できる仕事ができたらなと
そんなふうに、私も 毎日意識していきたいと思います。

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