佐藤健さんに学ぶブランディングとPR
※今回の内容は、こちらのpodcastでもお話しています。
ついに、いよいよ、長らく延期になっていた「るろうに剣心」の最新作が
劇場公開となりました!!!
私は普段からテレビはほとんど見ることがなく、30年以上も芸能人やアイドルやイケメンにまったく興味がありませんでした。
そんな良い年をした女が、1年ほど前から佐藤健という沼にはまってしまい、今でもその沼にはまりつづけています。
そしてその道筋には、ブランディングとPRの叡智が集結している芸能界において、「売り出す」「売れ続ける」ためにどんなことをすると効果的なのか、そのヒントがたくさん詰まっています。
待ちに待った「るろうに剣心」の公開を個人的にお祝いしたくて、私が沼ってしまった実体験に基づく、ブランディングやPRの鉄板法則と佐藤健さんへの愛を綴ったラブレターをニュースレターで配信したので、同じ内容をnoteでも限定公開します!
容姿の良さや才能があるだけでは生き残れない世界で、ブランドを確立していき、まったく興味のない人まで振り向かせる魔法。
それは一体、どんなふうに行っているのでしょうか?
沼にハマった経緯
私が健さん(いつもの呼び方で失礼いたします…///)に初めて興味を持ったのは、去年の2月、自粛期間が始まる直前のウェブメディアの記事がきっかけでした。
有名人の公式LINEでは宣伝内容が多いのに、健さんが送ってくるLINEは
「直接会話をしているのかと錯覚するほど、生々しく生活感漂うメッセージ」だ、と解説されています。
(ちなみに、この時は知りませんでしたが、このLINEは健さん本人が本当に送っているらしいです)
面白いコミュニケーション手法を試しているんだな、と思った私は
ブランディングの勉強のためにすぐに健さんの公式LINEに登録しました。
それからほどなくして公式Youtubeチャンネルが始まり、
それを見るようになると、関連動画でレコメンドされる動画のなかにSugerというアプリでの様子が入るようになりました。
Sugerとは、ファンの方と1対1で、テレビ電話のように話している様子をライブ配信で何万人もが見ることができるアプリです。
そして私はSugerでファンと話している姿に感動し、
毎日健さんの動画を見るようになりました。
(親友の千鳥ノブさんとSugerをする様子)
何に感動したのかというと、
・どんな相手で何を言われるかわからないファンとのやり取りを、ライブ配信でそのまま流していること。
・話している様子がかなり素に近くリラックスしていること。
・ファンからの無茶振りも決して否定せず素直に受け入れること。
・見ている誰も嫌な気持ちにさせないよう態度や言葉選びが完璧なこと。
こういうことが自然にできるということは、「この人は成功する法則を知っているんだな」と思い、本業ではどうなのだろうと興味が湧きました。
Wikipediaで出演作品を調べ、
龍馬伝の岡田以蔵役を演じていたことを知り
あの圧巻の最期をやった人は健さんだったのか、さすが…!という思いを強くします。
(10年以上経っても覚えていた名シーン)
出演作品を、若い頃から順番に観ていこうと決めて
その時すぐに視聴できた「ROOKIES」から観始めました。
アマゾンプライム、Paravi、FODなどで
いま観ることのできる作品は全て視聴していくうちに、
・主演が多いのに、キャラクターの幅が広く、作品ごとに全くの別人に見える...!
・マンガで描かれるそのままの表情ができる...!
・料理人やミュージシャンなど技術が必要な役も自分で習得して演じてしまう...!
・どの役も別人に見えるのに、健さんの容姿・声・動きじゃないと表現できない演技をしている...!
などにいちいち感動し、
そのプロフェッショナルぶりをさらに尊敬するようになりました。
カメレオン俳優と言われる人は多くいらっしゃると思うのですが、
主演で、しかも同一人物には見えないというのは
自分を「透明」にできるということです。
どんな仕事でも大切なその要素を実践して見せてくれていることも、健さんのすごい部分のひとつです。
ちなみに、私が好きな作品上位3つは
『天皇の料理番』
『義母と娘のブルース』
『ROOKIES』
という、人間ドラマものばかりです。
健さんの類まれな身体能力を活かしたアクションを堪能できる作品は
『るろうに剣心シリーズ』
『亜人』
『いぬやしき』
がおすすめです。
健さんは受賞歴もものすごくて、
日本アカデミー賞 優秀主演男優賞
放送文化基金賞・演技賞
ザテレビジョンドラマアカデミー賞
ジャパンアクションアワード
ベストアクション最優秀男優賞
東京ドラマアウォード 主演男優賞
エランドール賞 新人賞
日本映画批評家大賞 新人男優賞
など、多くのアワードで評価されています。
私が作品を観始めた頃から、本格的な自粛期間が始まったので
健さんもしばらく家から出ない日々が続いていたらしく
その間、Sugerを頻繁にしていた時期がありました。
テレビや雑誌の撮影ができず、仕事に行けなくて空いた時間を
ファンとのコミュニケーションの時間にして
「皆つらい時期だから一緒に頑張ろう」と、それとなく伝えてくれる姿に泣き出してしまうファンもいました。
こんなふうに、仕事に対する真摯な姿勢とファンに対する底抜けの優しさ、これやってみようと思ったらぽんと実行してしまう軽やかさの虜になってしまったのでした。
では、逆の視点から
どのようにブランディング/PRを設計していくと、このように短期間で沼る人を作れるのか。仕事に役立つ要素をピックアップしてみます。
■わかりやすい魅力だけではなく
様々な切り口でとにかく接点を増やす(PR)
私の最初の興味は「どうやってコミュニケーションしているか」という、ビジネス視点でした。
エンタテイメント方向からの接点ではなかったからこそ、健さんのLINEにたどり着けたという例です。
人の興味はどこにあるのかわかりません、多様な切り口を持って発信しておくことは、意外な効果をもたらします。
■デジタルコピーをコントロールしない(PR)
著作権や、売上を侵害するコピーはもちろんNGです。しかし、今の時代はデジタル上でのコピーを100%阻止するのは不可能です。
なので、それを逆手に取り、コピーOKなコンテンツを作ってどんどん増幅してもらって、接点を増やしていくほうが、結果的にファンになってもらうスピードが早まります。
健さんのYoutubeチャンネルを見たらSugerの様子が関連動画で出てきた、といったことを作れば作るほど、ザイオンス効果を高めます。
■実際の営業先企業ではなく
ファンと直接繋がる(ブランディング)
よく考えてみると、芸能人の実際の営業先というは、スポンサーとなる一般企業や番組制作チームなど、予算を持っている組織です。
ミュージシャンが1曲ずつの販売とCMなどで曲が使われること、どちらの売上が大きいかというと、CMで使われる方がコストが少なく売上も大きい、という構造と同じですね。
しかしそちらに集中しすぎると、ブランドを作っていくための情報発信が営業先に握られる、ということになります。
企業は損得の論理で動くので、何かスキャンダルなどがあった時には容赦なくタレントを切り捨てます。
そういう場合でもファンの応援の声があれば、形勢を逆転できる可能性も高くなります。
鶏が先か卵が先かですが、ファンと直接繋がることのできる場を作って、そこの熱量を維持しておくことは強いブランド作りには欠かせない要素です。
商品やサービスでは見えにくいこの法則も、芸能人がこぞってファンサービスを大事にしていることに気がつくと、同じことだとわかりやすいですね。
■ポリシーを見せる(ブランディング)
一番最後のアウトプットである映画やドラマなど、作品がどう作られていったのか、どんな工夫や思いや物語があったのか、メイキングや裏話を発信することは、その人やチームのポリシーを伝えることになります。
何を丸として何をバツとしたのか、それに対してどう感じたのかを伝えることで、共感が生まれ、好感度が上がりやすくなります。
■売上に繋がる受け皿を整えておく(セールス)
健さんのSugerで1対1の話相手に選ばれるには、
課金して上位に表示される必要があります。
また、写真集やカレンダー、タートルネックセーターやコートなどを作ったら、それを販売するサイトが必要になります。
何か行動するときにそれが売上に繋がるような導線を作っておくと、全てが無駄になりません。
■無理しない
個人的には、健さんの一番の才能は、このことに尽きると思います。
努力はするけど、無理はしない。
普段はなるべく省エネで生活して、レバレッジの効く部分にエネルギーを集中する。
自分を実際以上に良く見せようとしないし、相手を喜ばせようともしないけれど、絶対に否定することもしない。
それが、ファンが一番望んでいる姿だと知ってか知らずか、やっているのが本当にすごいことだと思います。
今や日本を代表する俳優の健さんですが
デビュー当時は今ほど洗練されておらず、2年間毎日ブログを更新したり、年上の有名女優との密会をすっぱ抜かれて事務所に怒られたり、共演の実力派俳優さんに刺激され苦労したりと、泥臭いこともたくさんやってきています。
公開されたばかりの『るろうに剣心 The Final』のプロモーションも
テレビ、雑誌、SNS、Youtubeと多角的に展開されていて、名物の100人以上の殺陣(たて)シーンをどう撮影したかなどのメイキング映像がYoutubeで観られるようになっています。
屋根走りや壁伝い、ワイヤーアクション、目に見えないくらい速い動作を
いかに仕上げていくかなどの、丁寧で繊細な撮影の様子を垣間見ることができます。
健さんは、俳優になるために生まれてきて、その仕事や生き方すべてでこんなに多くの人々に幸せや勇気や安心を与えてくれている、天才です。
そしてその天才性は、誰もが持っているものだと私は信じています。
もう見つかっている人も、まだ模索中の人も
健さんの作品を観てみて、その要素を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
天才性についてもっと知りたい、という方は、このpodcastで話しているので、良かったら聞いてみてください。
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