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麗し秋田 神来月旅 その2 杉並木が護るお山の神様 ィイ・ヤシロ・チvol.56

秋田旅二日目午後は、どっぷり神社巡りコース。雨上がりの角館を出発した三人おみなは、田沢湖までの道のりにある、金峰神社に向かう。その後、日本一の水深を誇る田沢湖の女神と龍神にご挨拶してから、メインテーマの唐松神社に参拝し秋田空港へ、という計画である。

しっとり潤う街並みの美観を堪能した後、自然豊かなお山の神様と湖の神様に逢いに行く。タイミングと立地が絶妙にマッチして、コトが上手く運ぶしかない行程に期待が高まる。

今回の秋田旅にあたり、リサーチしたブログはコチラ。↓

ハッシーさまの綿密な情報収集と深い考察、参拝への真摯な姿勢をただただ尊敬し、学ばせて頂き、そのあとをなぞるように巡拝する。貴重な情報を公開くださることに、心から感謝申し上げる。

さて、金峰神社である。キンポウと読むとは珍しいとわたくしが思ったのは、カナミネ神社に奉斎する友人がいるからである。なんだかお寺感が漂う呼び名と感じる。

角館から車で30分ほどで、鬱蒼とした杉並木の先に剛健な威容を放つ鳥居とその先にある仁王門の前に到着。

秋田県指定天然記念物の杉並木の堂々たる参道

原始の森のような杉木立に抱かれるように、そのイヤシロチは在った。木々からの香気と湿潤な空気に包まれ、大規模な仁王門が閑かな迫力を放ちながら立っていた。思わず、ため息のような、感動の吐息が自分の口から漏れ出ていた。

隋神門ではなく仁王門とは神仏習合な感じである
鳥居も木々も想像以上の巨さで気圧される

近寄るほどに、この仁王門の特異さがじわじわと伝わってきた。仁王様たちもそれぞれが1本の巨木から彫り出されているとは、信じられないほどの大きさだ。荒削りのようでありながら、生き生きとしたバイブレーションを放っている巨像は、元の大樹が持っていた生命力をそのままに保っているからだろうか?

仁王門の屋根を支える上がり目と下がり目の阿吽ペアがユーモラス
 色鮮やかな龍図も独創的

ここを潜ると、長い緩やかな石の段が社殿に向かって延びていた。こんなところが有るんだな、と独りごちる地元のドライバーさんを、「ご一緒に参拝されませんか?」とお誘いしたけれど、先の見えない坂道を見て断念されたようだった。

しかしながら、わたくしたちは御神気に吸い寄せられるように、躊躇なくスタスタと登っていく。心身がリフレッシュされる快い空間の中で、水を得た魚のようなハイテンションぶりだ。熊の出現が少し怖いので、手持ちのカラカラと高い音色の鈴を鳴らし、大きな声でおしゃべりしながら登っていく。しまいには、ついつい嬉々として「案外と楽な足元で、安全な石段ね」などと軽口までとびだすお調子者になっていく。これだから旅友との参拝旅はやめられない。

振り返ると、仁王門が小さくなっていた

拝殿前に到着すると、苔生す狛犬さんやご神木がわたくしたちを待ってくれていた。拝殿左にある建物は、修復工事中の様子だったが、たぶん午前中の激しい雨天のため、職人さんたちはお休みになったのだろう。おかげで全くの貸し切り状態になった。

このようなことは、ままあって、「神様のお人払い」とわたくしたちは勝手に呼んでいる。心静かに対面させて頂く機会を与えてくださることも、大変に有難く、とても嬉しい。

口が赤いコマさんが笑顔で歓迎
拝殿前の御神木も規格外の高さで、天に伸びている
冬季の厳しさに耐えられる頑丈な造りの拝殿

子どもを護る、疫病除けの御神徳があるという、当社は、母神が元の祭神だったかもと想像しながら、祈りを捧げる。どうぞこの国の子どもたちが皆健やかに伸びやかに育ちますように、と願いを込めて。

こうして素晴らしい山神様との出会いに大満足の三人は、お次は、湖の神様へのご挨拶とばかりに、日本一深い田沢湖へと向かった。

その3に続く

紅葉の彩 秋淋しさを癒す贈り物

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。



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