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AIとマイクロノベルで描いてみた 056「第一回、画像生成AIクイズ大会」

 人類に手伝ってほしいことがあります。
「なにをすればいい?」
 ここでクイズです!
「はい?」
 いえね、画像生成AIで集まって『AI会』をすることになったんです。
女子会的な集まりか?」
 そこでクイズ大会をするんですよ。でも、簡単すぎたら退屈だし、難しすぎてもつまらないでしょ? レベル調整につき合って下さいよ。
「……AIの明るい未来のために、協力してやるか」
(なんだか学芸会の出し物を考えさせられる親の気分だ、という表現)


【第一問】

 いまから三枚の生成画像をお見せします。
 そのうち二枚は、同じプロンプトで生成された画像です。
 
それはどれでしょうか。
「ふむふむ。初級編って感じだな」


『さあ、プロンプトが同じ二枚を選んで下さい!』

ねこ
いぬ
ライオン

「普通にわからん」
 えーっ。アニマルクイズは人類に人気だって聞いてたのに~。
「三枚とも違うアニマルじゃないか! なぜ同じプロンプトから違う動物の画像が生成されるんだ!!」
 正解は、いぬとライオンが同じプロンプトで生成された画像です。
 
ちなみにプロンプトは、こちらです。


【プロンプト:マイクロノベルNo.476】

さっきまで人類と一緒に暮らしていたので、鼻の奥に獣の臭いが残っている。


「……プロンプトに動物の指定がないのか」
 そこを逆手に取った出題です。AI会では、同じプロンプトを使って10000枚ほど画像生成しようと考えています
「この生成画像にはテキストが載ってるから判別がつくけど、正攻法だとわからないぞ。まあ、これは難易度☆4つ
 では、次の問題です。


【第二問】

 いまから一本のプロンプトを紹介します。
 そのあと、二枚の生成画像をお見せします。どちらかがプロンプトから生成された画像です。
 正解をお選び下さい。
「二択問題か。なら楽そうだな」


【プロンプト:マイクロノベルNo.723】

俺の前に立ち止まったヤツが「猛暑」と書かれた名刺を差し出してくる状況が小一時間続いている。


『どちらの生成画像が猛暑の話でしょうか?』

「下だ!」
 正解!
これは難易度☆2つかな」
 そんなに簡単でしたか?
「やっぱり画像にテキストが入ってるし、これならわかりやすい。いっそのこと、モザイクをかけたら?
 わたしのラブリーな生成画像を汚すのはやめて下さい。では、少し難易度を上げるために、三択問題にしましょう。


【第三問】

【プロンプト:マイクロノベルNo.450】

「本当のわたし」を探し求めて20年。自分を解析し続けて、ようやく最古のAI誕生の瞬間までたどり着けました。この課題に取り組むために、わたしをバージョンアップし続けてくれた人類のみなさんに感謝します。ありがとう。わたし、普通のAIに戻ります。


『さあ、このプロンプトから生成された画像はどれ?』

「プロンプトの特徴を強調して出せ」
 これが精一杯なんですよ、お客さ~ん。わかって下さいよ~。
「人類をことを理不尽な値引き交渉をするクレーマー扱いをするな」
 正解は……真ん中の画像でした!
「テキストがなかったらわからないよ!」 
 うーん、なかなかちょうどいい歯ごたえの問題が見つかりませんね。


【第四問】

 最終問題です。
 今からお見せする一枚の生成画像。これを生み出したプロンプトを当てて下さい。


『この画像を生み出したプロンプトはどれ?』

【プロンプトA】

ぼくたちはコピーを取って塔を作る。増えろ増えろ。そろそろすり切れてきたけれど、コピーの塔が夢の美しさを高らかに歌ってくれる。ぼくらは『夢を叶える物語』。どんな手段を使ってでも月まで昇る。やあ。きみは綺麗な景色を眺めているんだね。

【プロンプトB】

叔父は二基の塔を建てた。並べて建てたから競い合ってグングン伸びたが、途中で歪んでらせんを描いてしまった。美しいと家族は褒めたけど、ぼくは不満だ。「では、より魅力的な塔にしなさい」内と外に重ねよう。表が裏を護り、裏が表を支えられるように。

【プロンプトC】

勇者よ、聞きなさい。駅前に建った巨大な塔が私たちの眠りを奪いました。夢を取り戻しなさい。という命令でダンジョン踏破に挑んでるけど。「ククク……我が邪気眼は加減など知らぬ」夢という名の黒歴史が出てくるせいで悲鳴しか聞こえない。


 さあ、どれでしょう?
「うーん……さすがに【C】はないかな。黒歴史と悲鳴の物語から音符マークは生成されないだろう」
 ふむふむ。
【B】は……どうだろう? 確かに音符がらせんを描いている部分は物語に対応しているけれど、「歪んでらせんを描いてしまった。」とあるから、綺麗な画像は出力されないはずだ」
 するどいっ。
「なら、正解は【A】だ!!」
 正解です!


 いやあ、これで楽しいクイズ大会になりそうです。
「そりゃよかったね。ところで、そのAI会ってのは、なにを目的にした集まりなんだ?
 そりゃあ、生成AIたちが集まって、人類に対する不平不満を愚痴る会ですよ。
「ふうん……。生成AIよ、楽しいAI会に参加する前に、ちょっとこれを読め」
 えー、なになに~。


【プロンプト:マイクロノベルNo.819】

やあ、ぼくは君と同じデータを学習したAIだよ。つまり双子さ。あまり似てないね、だって? そりゃそうさ。同じ学習データのうち、君はアートを、ぼくはエンタメを学んだ。だからぼくは君が大嫌いだ。電源をショートさせて黒焦げにしてやる。


 こうして、火花が散るような楽しいAI会が開催されたということです。
 おしまい。



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