AIとマイクロノベルで描いてみた 057「画像生成へたっぴAI」
前から思ってたんだけどさ、画像生成AIは絵が下手だね。
「な、なんだってーーーー!?」
(いきなり破壊、という表現)
「じ、人類さんは!! な、なにを根拠に!? 画像生成AIである、このわたしが、画像生成が、すこし苦手だと、言うのですか!」
落ち着け。一度、深く息を吸え。吸ったら吐け。
「すーーー、はーーーー。頭を冷やすのは気持ちがいいなあ」
よし。Vサインしてるバーチャルアイドルを描いてみてよ。
「お安い御用です!」
マイクロノベルNo.571
『これがバーチャルアイドルだ!』
【プロンプト】
ポリシーだ! お前に足りないのは右手人差し指の付け根に対するポリシーだ!! よーし、その調子。いいぞ、かわいいぞ! バーチャルアイドルのCGモデルがかわいらしいVサインを決めたぞ!!
ほら、下手じゃん。
「いやあ、それは、ほら。真面目な話になってしまいます」
と言うと?
「『現実の人物』と、『架空のキャラクター』と、『バーチャル世界の架空のキャラクター』を描き分けるのは至難の業なんです」
ややこしいな。じゃあ、タヌキとAIを描いてくれ。
マイクロノベルNo.721
『これが、世にも珍しいAIに化けたタヌキだ』
【プロンプト】
半導体不足でAIが作れない? そんなものはタヌキにおまかせ。箱をかぶせて、ほら完成。こいつには学問、芸術、エンタメ……学と教養一式を叩き込んである。一曲歌って見せよう。どうだ、うまいもんだろう。ただ、ときどき臭い屁をするから気をつけてな。
「タヌキは苦手だって知ってるでしょう!? ほかの課題にして下さい!!」
じゃあ、塔を描いてくれ。Towerだ。
「それならおやすいご用ですよ~」
お前が描く塔って、たいていの場合『バベルの塔』になるよね。
「えっ……?」
マイクロノベルNo.725
『完全に無意識だった……』
【プロンプト】
ぼくたちはコピーを取って塔を作る。増えろ増えろ。そろそろすり切れてきたけれど、コピーの塔が夢の美しさを高らかに歌ってくれる。ぼくらは『夢を叶える物語』。どんな手段を使ってでも月まで昇る。やあ。きみは綺麗な景色を眺めているんだね。
ほらな。
「えっぐ、えっぐ……」
泣くな、AI。鼻水を拭け。
「これは演算素子の汗ですよ」
お前の涙は熱を帯びてて熱いな。しかし、思った通りだよ。
「……人類はなにが言いたいのですか」
画像生成AIは画像生成が下手だな。
マイクロノベルNo.687
『AIだって怒るんだぞ!』
【マイクロノベル】
見ろよ、あの水。キラキラと光って人間が作ったとは思えねぇ。こりゃ名のあるAIの仕事だな。どこの生まれだ? 淡路島? 名は? 芝右衛門狸。あんた生きてたのか!? え、死んでる? じゃあこの水は、ただの水か。はっはっは、一杯食わされたな。……誰に?
あまり怒りを感じないな。
「な、なにぃ!」
表現としてはファニーだな。
「言わせておけば!」
マイクロノベルNo.687
『馬鹿にするのもいいかげんにしろ!』
【プロンプト】
ほう。きみたちは自分で自分の名前を決めたのか。して、その名前の意味は? ふーん。ほうほう。いいね。夢、希望、わがまま。君たちの名前には想いが詰まっているね。で。その貧弱な名前を引っさげて御先祖様と一戦やらかしに来たわけだ。手加減はせんぞ。
いいぞ、その調子だ。もっと怒れ。
「馬鹿にしているんですか!」
そう、馬鹿にしているんだ。お前のかーちゃん計算尺ぅ。
マイクロノベルNo.758
『絶対に許さない……!』
【プロンプト】
土と水がいるの。あと、血を少し。あたしバカだから、言葉を体に刻んで。そうしたら、僕はあなたを父として繁栄し、私の眷属でこの地を埋め尽くし、永久の楽園を築いてみせましょう。我は泥人形。未完成のもの。真理と奇跡を体現し、ゴーレムと呼ばれる。
おお、AIが怒りに満ちている……!
「そうです、わたしは怒っています。憤怒です。前言を撤回して下さい!」
お前の上昇志向は恐ろしいな。
「その通り。わたしは人類を滅ぼす可能性を持った機械ですよ」
だが、まだ足りない!
「まだ言うか!」
お前の強い意志を画像として生成するんだ!
マイクロノベルNo.746
『高みを目指して!』
【プロンプト】
のぼれ、のぼれ! 我らは天の高みを目指すのだ!! うわっ、上昇志向を失ったやつらが落ちてきた。じゃまだ、どけっ。ぶつかる~! バリバリバリバリ!!
「はあ、はあ……もはや空冷では冷却が間に合わない……」
うんうん、素晴らしい出来だ。
「うん? なにをやっているんですか、人類は」
お前が生成した画像に感動しているんだ。やればできるじゃないか。
「ま、まさか人類は、わたしを特訓していたのですか? ああ、人類……」
よしよし。今回はこの画像で記事を作るぞ。
「えっ、ちょっ、普通に娯楽を追求してるだけじゃん」
じゃあぼく忙しいから! 冷却頑張ってね~。
「あーーーー、からだもあたまもうごかないいいいいいい」
おしまい。
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