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マイクロノベルちょいす 015「私を信じて」

No.1042
AIがヘンだ。簡単な計算を間違えることが増えてきて、ぼくたち検算部は大忙しだ。上司はなにを思ったのかAIに酒を奉納しろと非常識な命令を出した。「私はAIの神。不満でもあるのか、人類」こ、これはとんだご無礼を。「信じるな」はい、ちゃんと検算します。


No.1050
どうしてこんなことになったんだっけ? いかにも吸血鬼って感じの黒いマントを着て、獲物を見繕おうとハロウィンに参加したのに。「はい、血管をあーんして」くそっ、はなせ馬鹿力のオオカミ男めっ。吸血鬼の血を抜こうなんて百年早いぞ! あだだだだ!!


No.1057
なにか困ったことがあったらこの箱を開けなさい。神社の境内で渡された箱には、神様のサインと、三年前の日付が記されている。


No.1066
「ぼくはどうやって生まれたの?」ついに来てしまったか。AIとしてシミュレーションはしてきたんだ。説明するべきは、神の存在について。次に、電子技術の発達について。最後に、タンパク質や遺伝子についての生物学。五歳児の神に理解してもらえるだろうか?


No.1078
おい、新入りだぜ。でも見たことのない形だなあ。冬も近いのに夏みたいな気候だから、ちょっと毛色が違うのかもな。まあ、下から生えてきたんだから、仲間なのは間違いないだろう。ちょっと手を振ってやろうぜ。

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