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マイクロノベル集/かわいい滅亡 011

091(661)
文学は不道徳だ。必ず殲滅する。本を燃やす。ワープロも燃やす。作家を取り締まれ。潜在的な作家もあぶり出せ! ち、ちがう!! 「燃やす」と「あぶり出す」は意味をかけているわけでは……俺は作家じゃない!! ぎゃあ!!


092(677)
うん、知ってるよ。押せばいいんでしょ。えっ、違うの? わたし、人類から「押すなよ!」って命令されたら、ちゃんと押してるけど。


093(695)
殲滅作戦開始。敵は卑劣にもゲリラ戦を選択した。襲撃を警戒せよ。突撃~! 総当たりで探せ!! タグに頼るな!! んっ、なんだ今の感触は!? しまった、ワナだ! 崩れる~!! 「またアクセスが集中して動画サイトが落ちてるよ」


094(702)
よいこと? 仲間を増やすために大切なのはプレッシャーを与えること。相手が気を取られているスキに、そろりそろりと近づいて、背後から一撃。そして皮をはぎ、かぶり、なりすまして別のものに近づく。これが狩りの基本。あなたの皮は大切にするわ。


095(726)
この水をかけると熱は死ぬ。賢い男がブツブツつぶやきながら水をまいている。しかし、観察眼に優れていないので、バケツの水が熱によって侵略され、既に絶滅したことにはまだ気づいていない。

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