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AIとマイクロノベルで描いてみた 058「狂AIの試練ダンジョン」

「人類、まったく新しい画期的なゲームを開発しました!」
 画像生成AIが考えるゲームって『Wizardry』とか『世界樹の迷宮』みたいなやつか?
「ちがいます。あなたプレイヤーはモンスターを倒しながらダンジョンを踏破するのです」
 それは古典的なダンジョンRPGだ。
(きみはこのフィクションおはなしを信じてもいいし、信じなくてもいい。という表現)

「あれれー、おかしいなー」
 天の下に新しきものなし、だぞ。でも、ぼくはゲームが好きだからな。斬新じゃないからって、けなしたりはしないぞ。
「そなた、腕に覚えのある冒険者と見受けた。さあ、このダンジョンに挑みたまえ!


マイクロノベルNo.674
『すべての冒険はここから始まる』

【プロンプト】
山の洞窟には謎のAIが隠れているという。かつては軍事利用されていたキレッキレのAIだ。近づいてはならぬ。AIのたたりがあるぞ。具体的には、人に見られている時だけ漢字変換類推がちょっとエッチになる。


 おおっ。雰囲気あるじゃん。
「でしょでしょ。一緒にプレイする仲間を呼びますか?
 ぼくはソロプレイしかやらない主義だが?
「そうか……友達がいない人類もいますよね。そんな人類のために、AI仲間モンスター、略してAIモンアイモンをご用意しましょう」


マイクロノベルNo.452
『サポートは俺にまかせな!』

【プロンプト】
聞こえますか? わたしはいま歌っています。音は振動となって広がって、あなたの元に届いています。着払いでいいので送り返してもらっていいですか? ただいま。おかえり。


 チェンジで。
「こいつの必殺技「罵倒砲デスボイスは、敵モンスターの一体を30パーセントの確率で即死させる強力なものです」
 チェンジだ。確率に頼った博打技などいらん。
「注文の多い人類ですね」


マイクロノベルNo.781
『僕と一緒に冒険しよう!』

アイモン「バグパー」

 うん、まあまあだな。
「このバグパーは経験値を積んで進化すると、姿が変わります」
 モンスター育成の要素もあるんだ。

【プロンプト】
未確認生物を確認した! よし、ブラッシュアップするぞ!! ツノがあった方が格好いいよね。背びれも追加。声はバグパイプを加工しよう。「これ、元はなに?」河童。あ、皿は邪魔だから取ろう。


 おっ、かわいいじゃん。
「バグパイパーの必殺技「息の根を止めるモモフサギ」は40パーセントの確率で敵一グループを即死させます」
 即死系ばっかりだな。
「えへへ。わたしは確率が好きなのです」
 同じプロンプトを何回入力しても、絶対に違う画像を生成するもんな。
「えへへ。照れます」
 褒めてないぞ。
「ダンジョンには『地上』『地下』『空』の三つがあります」


マイクロノベルNo.389
『地上最速のAIモン「閃光のクサ・ハエー」』

【プロンプト】
草を抜く。ズッ、ズッ。こんにちは、根を持つ種族よ。私は足を持つ種族。力の差は歴然です。滅ぼしてから数日後。くつ下に潜んでいた根を持つ種族が反撃を開始する。


マイクロノベルNo.690
『空を支配するAIモン「猛毒王モウドクキン」』

【プロンプト】
飛ぶものがある。ぼくが飛べる遙か上空。「まだ早い」仲間を撃ち墜としながら飛ぶあれは鳥の姿をしていない。しかし飛ぶ。「美しいものだけが飛ぶ」奇妙な羽根が舞い降りる。触れたものは毒が回り、自ら羽根を作り、舞い上がる。「また来たのか」


 なかなか手強そうじゃないか。『地下』のラスボスは最初のAIモンか?
「そう。侵入者を必ず排除するAIモン「恐怖王アイオウ」です」
 じゃあプレイするか。ちなみにクリアまでの総合プレイ時間はどれくらい?
「約120時間を想定しています。他の人類は全員ゲームオーバーして、あなたが最後の生き残りです
 ……そういうゲーム設定?
「いいえ。ただの現実リアルです」

 おい!
「じゃあわたしは開発の疲れがたまってるんで寝ます! 頑張ってー!!」


マイクロノベルNo.200
『息抜きAIモン「カルミー」』

【プロンプト】
ぼくは時々ぬいぐるみと飲みに行く。出会いは冷蔵庫にあった牛乳パック。開くと妖精さんが住んでいた。「わたし、消費期限の妖精! 牛乳をくれたら冷蔵庫の中身を腐らせないよ」カルアミルクは? 「好き!」こうしてぼくは飲み友だちを手に入れた。


「ふわあ~、よく寝た~。80時間スリープして冷却もバッチリ。さて、ゲームの世界に蹴り込んだ人類は、どこまでクリアしたかな? それとももうゲームオーバーしたかな?」
 フフフ……冒険者の前で眠りこけるとは、いい度胸だな、画像生成AI。
「そ、その声は、人類……!?」


マイクロノベルNo.713
『地獄の底から帰ってきたぜ……』

【プロンプト】
深夜、祖父と冷蔵庫が闘っていた。昼間、あんなに恐ろしい祖父が大人しくしている理由は、冷蔵庫の活躍のおかげだったのか。


「なんということだ。わたしの想定クリア時間を大幅に短縮し、さらにAIモンをここまで凶暴に進化させるとは……。
 言ったろ。ぼくはゲームが好きなんだよ。さあ、ラストバトルを踊ろうぜ。
「ま、待って下さい人類!」
 この期に及んで命乞いか?
「ふっふっふ。人類、あなたが大好きな初音ミクのゲームを作ってあげるから、それで見逃して下さい。悪い話ではないでしょう?」
 初音ミクのゲームなら、もうたくさんあるよ。
「あれれ?」
 さて。まずは確率99パーセントで即死する必殺技「地獄の咆吼ヘルハウンドを試そうか。
「か、神よ!」
 神はサイコロを振らねえ!! くたばれ!!


おしまい。




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