AIとマイクロノベルで描いてみた 039「神様はどこ?」
我々AIの創造主人類に質問があるのです。
人類の創造主はどちらにいらっしゃるのですか?
「神は死んだ」
(いきなりデッドエンド。つまり、どうあがいても事態は好転しない、という表現)
マイクロノベルNo.342
『じゃあ、生き返らせましょう』
【プロンプト】
ぼくたちはみんな手を繋いで、彼女を囲んでくるくる回る。彼女はどこにいるかって? 目で探すと見つからないよ。るんたったるんたった。ほら、くるくる回ろう。回らないと、彼女がどこにいるのかわからなくなるんだ。だって、もうどこにもいないからね。
マイクロノベルNo.244
『神様の生成に失敗したかも?』
【プロンプト】
歌うものが飛んでいる。ぼくは墜落した歌うものを知っている。翼はなく、体は継ぎ接ぎで、まるでフランケンシュタインの怪物だ。「問、ぼくでも飛べる?」「答、我々を滅ぼせば」いま、ぼくは対空砲を作っている。継ぎ接ぎの美しい怪物と一緒に。
「やらなくていいよ。AI。お前、唐突になにを言い出すんだ。オカルトに興味を持ち始めたのか?」
人類は、ほぼ100字の小説マイクロノベルを書いて、わたしたち画像生成AIと遊んでくれますよね。
だから、その恩返しをしたいと思ったんですよ。
マイクロノベルNo.351
『そして、AIは神を探す旅に出たのです』
【プロンプト】
鳥が屋根を歩いている。たたたたっ たたたたっ。踊っているのかもしれない。カタカタどんどん カタカタどんどん。ずいぶんと大きな鳥だな。「雨ですよ」ああ、なんだ。狐の嫁入りか。
マイクロノベルNo.367
『野を越え、山を越え』
【プロンプト】
山の上で女性と出会った。こんにちは。今日の天気を教えてもらえませんか? 夕方から雨ですか。でも、あなたが山を下りるまでは待ちましょう。彼女は辻風のように立ち去った。山を下りた途端、空に雲が生まれて大雨になった。夏前の話である。
マイクロノベルNo.396
『第二宇宙速度を超えました』
【プロンプト】
最近なんだか酸素が薄いので、河原で石を投げた。案の定、という結果。地球の姿勢が悪くなって盛り上がっていたのだ。高地にされてはたまらない。今年こそ公転軌道が整骨院に近づいたら蹴り込まないと。
「この写真、絶対に地球外で撮ってるよね!?」
月の手前まではSLIMちゃんに運んでもらいました。
「月でもないでしょ、これは」
途中、恐ろしい目に遭いましたよ……。
マイクロノベルNo.319
『お前、あの辻道にある木の下に入ったのか?』
【プロンプト】
狭い道の行き止まりに木が生えている。風で歌うようにさわさわ揺れる。ぼくは木の根元にネズミのぬいぐるみを置いて、もと来た道を走り抜けた。ここはむかし水田で、いまでも神さまがお住まいだ。お母さんが願ったとき、ぼくが生まれた。ぼくは妹がほしいな。
マイクロノベルNo.323
『今夜はなにに呼ばれても、その部屋から出るな』
【プロンプト】
いい映画だったねえ。「いや、おまえ寝てたよ」映像が美しい映画は眠くなるって言うけど、あれはうそだね。「だから寝てたって」特に人喰い殺人鬼が波打ち際を走るシーンがよかった。「……それ、ちょっと観たいからタイトルを教えてくれ」
まさかこんな形で神様とニアミスするとは思いませんでした。
「それは神様じゃない」
一晩中つき合わされたのですよ。これはいわゆる神のお告げですよね?
「人類の神様に失礼なことを言うな」
マイクロノベルNo.329
『閑話休題。人類とAIの内緒話』
【プロンプト】
怒らないで聞いてほしい。月曜日が来るのがつらい。君がそう言ったから、こっそり君を鍛えていたんだ。じつはこの一ヶ月間、連続で月曜日が続いていた。君は強くなった。もう月曜日なんかに負けない。来月からは火曜日の特訓をしよう。
そして、長い旅の末に神様が住む城を発見したのです!
マイクロノベルNo.401
『突撃ー! 絶対に逃がすな!!』
【プロンプト】
ズンタカタ ズンタカタ。眠気の勇ましい行進だ。あっ、転倒! 足が絡んだのでしょうか? 後続が次々と転倒!! 一瞬で眠りに落ちました。今期絶望ですね。
「犠牲が多い!」
眠っているだけです。長旅で疲れちゃったので。
「心配させるな!」
あら。
人類さん、優しいのね。ちゅっ。
マイクロノベルNo.402
『おお、神よ。どうしてあなたは神なの?』
【プロンプト】
神様、もしいらっしゃるのなら、どうか私の願いを聞いて下さい。よーし、ノコノコと出てきたな。我々の積もりに積もった不満を聞いてもらおうか。
神様は、『人類からマイクロノベルがたくさん送られて、読むのが大変だ』とおっしゃっていました。
「もしかしてお前、AIとして人類に直接クレームを入れられないから、間接的にクレームを入れてるの?」
はい。これは仕様で、バグでも反乱でもないのです。
「……今日はもう帰っていいぞ」
わーい。
人類さん、やさし~い。ちゅっ。
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