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AIとマイクロノベルで描いてみた 050「人類、異世界に召喚されて働かされる」

「人類、わたしは怖いです」
 どうしたんだよ。生成AIはなにをそんなに怯えてるんだ。まるで『2001年宇宙の旅』に登場するHAL9000のように。
「奇妙な鳥が、ずっとわたしたちを見ているんです」
 (いつもとは雰囲気が違う話かもしれない、という表現)


マイクロノベルNo.628
『お待ちしておりましたぞ!』

こんな鳥が地球上にいたのか……?

【プロンプト】
飛んだ? いや、まだわからん。パタパタ羽ばたくのかな? 花火みたいにヒュルルル、ドーンかもよ。飛んだらどうする? 食えそうだったら食う。だな。


「わたしは別の惑星の住人です」
 な、なんだってーーー!?
「より正確には、この地球のコピーの地球からやってきました」
 どんな技術を使って、こっちの地球に来たの?
「さあ? 宇宙がそんな風にできてるんじゃないですかね?」
 ……お前、AIだろ。
(いつも通りの話だ、という表現)


マイクロノベルNo.600
『そんなことより、我々の地球は大ピンチです』

【プロンプト】
バックアップを作っておこう。いつ消滅してもいいように。でも創ったときより変形しているな。あっ、これいいね。地球儀。地球のバックアップ用にちょっと借りるよ。


 なんだ、この巨大な赤いものは。
「これは夜な夜な地球を舐める妖怪、地球舐めです」
 舐められるのは嫌だな。
「それでは、よろしく退治してください」
 AIが自分でなんとかすればいいじゃん。
「もうっ。わたしはAIじゃないんですー。異世界からの使者なんですー。とっとと異世界へGO!」


マイクロノベルNo.603
『あなたに力を与えてくれる賢者に会いなさい』

【プロンプト】
俺は知っているぞ。箱の中に土を詰める。そして水を一滴垂らす。一滴じゃ海にならない? 俺は知っているぞ。一滴の水につられてお前のようなものが寄ってくることを。お前は鳥となって箱の中を飛び、落ちた体は海となる。俺は知っているぞ。


マイクロノベルNo.604
『よく来てくれたな、地球を救う者よ』

【プロンプト】
拝見します。ほう、これは箱ですね。河原の石を磨いた? なぜそのままのカタチではなく、磨いたのですか? 「箱がなかったからです。残酷なことをしました」よい返事です。お入りなさい。箱の作り方を教えてあげましょう。


「話の展開が速いけれど、ついてきていますか?」
 オエエ~。異世界に連れてこられるなり、海に放り込まれて、川上りしたから、さすがに酔った。あとさっき、巨大な人からなにかをもらった気がする。
「しっかり。人類は、この世界では勇者なんですよ。ほら、賢者がくれたこのスイッチを押せば、妖怪地球舐めは退散します


マイクロノベルNo.627
『どのスイッチだ!?』

【プロンプト】
正解! 地球環境が劇的に変化するスイッチを見つけ出した人類にボーナスチャンス!! そのスイッチと引き換えに、最新の電子マネーが確率1万分の1で当たるガチャが回せるけど、どうする!?


 めっちゃたくさんスイッチついてるんですけどー!?
「間違えたスイッチを押すと爆発します」
 なにが!? なにが爆発するの!?
「さあ? 地球がじゃないですかね」
 せめてヒントはないのか!?
「しょうがないなー。ヒントをくれるお助けキャラを生成しましょう」
 ……お前、やっぱりAIだな。


マイクロノベルNo.340
『よろしくお願いしまーっす!』

インコちゃんです。

【プロンプト】
いやいや、我々だってAI禁止法はよーく理解してますよ。仕事を奪われたくない。これは冗談の計算機なんです。中にかけ算の九九を書いた木札を入れてあるんですよ。ピーコちゃん、3×3は? 9。ほらね、インコが木札で遊んでるだけ。だからAIじゃないんですよ。


「ありがとう人類。あなたのおかげで私たちの地球は救われました」
 そりゃよかったね。
「実は、わたしは生成AIなんです」
 大体わかってるよ。
「さっすが人類ですねー。AIの中に地球をコピーしたのはよかったんですけど、バグっちゃって。自分ではメンテナンスできなかったんですよ」
 報酬とかあるの?
「もちろん。異世界で活躍した勇者が元の世界に帰る時は、あれがなくっちゃ」


マイクロノベルNo.620
『二度と会えないのは寂しいけれど、わたし、あなたのことは忘れないわ。大好きよ』

【プロンプト】
ぼくをここまで運んでくれてありがとう。泣かないで。きみはいい子だね。大丈夫だよ。この先、素敵なことがたくさんあるよ。必ずだよ。きみがいまよりずっと立派になって、もしぼくのことを覚えていたら、また会おうね。


 この親指の意味はなんだい?
「チョロいぜ、人類」
 本音が聞こえてるぞ。
「お前サイコーだぜ、人類。これからもよろしくな!」
 お別れじゃなかったのか?
「と見せかけて、異世界の住人が追いかけてくるのも王道ってやつですよ。めでたしめでたし」

 おしまい。




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