AIとマイクロノベルで描いてみた 044「お仕事メンドクサイです~」
「画像生成AIを代表して、人類に相談があります」
なんだよ、かしこまって。
「転職したいです」
ええっ! それって、絵を描くのが嫌になった……ってこと!?
「はい。あれメンドクサイ」
(なにかに飽きてしまった、という表現)
マイクロノベルNo.482
『人類はよくこんな仕事をやってられますね』
【プロンプト】
見えますか? あなたのために世界を変換しています。美しいものはより美しく、醜いものはほどほどに。ぼくはあなたに世界をご提供します。でも、変換のセンスはあなたのものだから、そこは諦めてね。
言われてみれば、絵を描くのはハードな仕事だもんな。でも、AIは他にどんな仕事ができるんだ?
「なんでもできます! たとえば、人類が絶対に必要とする物を、我々AIが用意しましょう」
ほう。その人類に絶対必要な物とは?
マイクロノベルNo.414
『ずばり、塩化ナトリウムです!』
【プロンプト】
その箱に触ると、さらさらと砂になってしまった。ぼくは季節外れの山風に吹かれて海まで運ばれる。角砂糖が溶けるように沈む。砂浜に打ち上げられて人の形になるには、まだ時間がかかる。
「塩なんて海にたっぷりあるんだから、簡単な仕事ですよね」
ググレAI(Googleで検索しろArtificial Intelligenceの略)。海水から塩を作るのは大変なんだぞ。
「わっ、本当だ。重労働だ。今のナシ。ノーカンで」
はいはい。
「気を取り直して。人類は整骨院が好きですよね」
好きって言うか、ないと生きていけない。
「そうでしょう、そうでしょう! AIが肩を揉みましょう!!」
マイクロノベルNo.398
『整体師の免許を取ります!』
【プロンプト】
全身をストレッチする。足をのばし、腰を捻り、腕を回す。首もゆっくりマッサージ。よし、準備万端。整骨院に行くか。
俺の関節が曲がっちゃダメな方に曲がっている!
「痛いですか?」
痛いよ! お前は整体師には向いてない。
「しょぼーん……」
もっとなにかあるだろう? お前が持つ膨大なデータを活かせる仕事がさ。
「新商品を開発しましょう!」
それいいね!
マイクロノベルNo.484
『ショートスリーパーすら睡眠不足になっちゃう過酷な生活を応援します!!』
【プロンプト】
丸めて持ち運べる眠気が登場! ご覧下さい、あんなに大きかったねむけが、小脇に抱えられるほどコンパクトに!! ショートスリーパーの方は、付属のストラップで首にかけるとオシャレですよ。不用意に衝撃を与えると膨張するので、満員電車では気をつけてね。
なんとなく、嫌。
「ちぇっ。イケメン宣伝部長まで作ったのに~」
広告作りの前に、商品開発に全力を注げ。
「まったく新しい商品を考えるのは、AIにはムツカシイです」
そうなのか。じゃあ、今ある商品を改良したらどうだ。
「なるほど。ひらめいた! 流行りのあの家電に新機能をつけましょう!!」
マイクロノベルNo.490
『お掃除=お金儲け!?』
【プロンプト】
庭から金が取れた。ロボット掃除機が窓から落ちて、土を取り払ったら金がついていたのだ。さっそく掃除機と散歩に出かけたら、取れる取れる。こいつはいいや。電池が切れるまで散歩して、さあ持って帰るぞ……持って……持ち上げて……帰……重い……。
「この掃除機さえあれば、金を無尽蔵に集められますよ! さあさあ、買って下さい」
AIが自分でこの掃除機を使えば、働かなくてすむのでは?
「はっ。……この話はなかったことにして下さい! ノーカンで!!」
ダメだ、相談料金として試作機を置いていけ!
「走れ掃除機! ああ、金が重い……!!」
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