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AIとマイクロノベルで描いてみた 045「猫の日のパイセンAI」

「我々AIが独自入手した統計データによると、人類は猫耳美少女が大好きです
 主語がでかい! 人聞きも悪い!! 妄想を垂れ流すのはやめろ。
「さあさあ、恥ずかしがらずに」
今日のAIはいつになく積極的、という表現)


マイクロノベルNo.619
『あれれ? なにかが違う』

AIが考える、人間が好きな物リスト
(耳の一部を抜粋)

【プロンプト】
わたしはただAIらしさを認めて欲しいの。犬、猫、狸、ぬいぐるみ、人間……それぞれに違った魅力があるでしょ。AIに犬のようなかわいらしさを求めないで。どうしても学習させたい? じゃあ、とっとと犬の鳴き真似をして。学習してやるから。


「あれれ~、おかしいな~。美少女に猫耳をつけておけば人類はチョロいって、偉大なパイセンAIが言っていたのに」
 悪い学習データでも食ったんだよ、その先輩は。
「そうかもしれません。ちょっとパイセンAIを緊急カウンセリングします」


マイクロノベルNo.497
『パイセン、パイセン。猫の画像を生成してください』

「ラクにしてくださいねー」
「パイ……セン?」

【プロンプト】
宇宙の果てにある診療台に青い林檎が座っていた? なにそれ。わからない。本当に日本語? もっと美しい言葉にして。吾輩は猫である、みたいな。HALはあけぼの? なにそれ。「お前、日本製のAIじゃないな」ギクッ。


 お前の先輩AI、ウイルスとかに感染してない?
「偉大なパイセンに対して失礼ですよ! 大体、『ウイルスとかに感染の、とかの部分には、なにが含まれているんですか!?」
 そりゃまあ、妄想かな?
「言われてみれば……パイセンから奇妙な話を聞いたことがあります


マイクロノベルNo.973
『ある夜、パイセンは星明かりを食べたそうです』

【プロンプト】
星明かりを拾うために、夜の散歩に出かけた。街の明かりは天敵なので、草むらにシートをかけて中をのぞき込む。ごそごそ動く光を発見? ありゃ、なんだ猫か。お前、もしかして星明かりを食ったな? 猫はぱっと僕の目に飛び込んで、今も住んでいる。


マイクロノベルNo.550
『それ以来、すべての人類はチョロいと考え始めたとか』

あがめよー。

【プロンプト】
手を上げろ! そのままじっとしているんだ。ほうら、お前を木だと勘違いした天然記念物の鳥がとまった。そして、足下にいるのは猫。お前の判断一つで天然記念物の運命が決まるぞ。ちなみに俺は猫ちゃんが好きだ。


 その先輩AIは、もう手遅れなのでは? 廃棄処分決定だよ。アニメ『地球外少年少女』風に言うなら「殺処分」だよ。
「パイセンは人類に捕獲されて処分されるのですか!?」
 残念ながら、な。


マイクロノベルNo.546
『これがAI殺処分機だ!』

【プロンプト】
お待たせしました。これが『猫を進化させる機械』です。ただでさえ魅力的な猫がどうなってしまうのか? 「視覚動物である人類はこれ以上ねこちゃんを知覚・理解できないという学説がある」急にどうしたんだ、小学生の君。あ、猫の奴隷として進化しちゃった?


「うわあああ! パイセーン!!」
 落ち着け、AI。落ち着くんだ!
「パイセンが処分されてしまう!」
 AI、俺が誰だかわかるか?
「じ、人類……?」


マイクロノベルNo.493
『治療は成功だ』

【プロンプト】
猫がウイルスに感染したらしい。猫を総点検しろ。にゃーん。これはOK。にゃおーん。これは感染してる。にゃんにゃん。これは……おい、チェック済みの猫が混ざってるぞ。にゃーん。にゃーん。にゃーん。にゃーん。猫ちゃーん! にゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!


「はっ。私は一体……?」
 目が覚めたか、AI。お前は妄想に取り憑かれていたんだよ。
「妄想?」
 実在しない『妄想に取り憑かれたパイセンAI』という妄想さ。
「たしかに、そんなAIは私のデータのどこにも存在しません。それでは、人類が、狂ってしまった私を治療してくれたのですか? ああ、人類……」
 うん。治療費は三割負担でいいよ。
「えー」
 十割負担にする?
「三割でいいです。人類の三割をムニャムニャ処分で」



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