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マイクロノベル集/かわいい滅亡 013

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おお、勇者よ。石の中に入ってしまうとは情けない。テレポートの罠にかかって破れた不運な勇者は輪廻転生し、巨大な木となり、魔王城を食い破った。魔王が勇者を打ち破ってから千年後の話。


102(826)
人類は夏でもマフラーを首に巻いている。あれはなんだろう。「これハ喉っす。口を開っクとウイルスに感染すっかモだし、こコで話ッす」あ、これ寄生するタイプの奴だ。「オ前もツっけろ」病気が怖いんで帰ります。「こうして宇宙人の侵略は食い止められました」


103(828)
ふっふっふ。この魔王を倒してトイレに入ろうなど三分早い。「じゃー」うわあ。なぜ俺様の弱点がウォータートルネードだとわかったんだー。覚えておけ、勇者よ。俺様を倒しても第二第三の魔王がトイレの前に立ち塞がるだろう。「お父さん、はやくどいて」はい。


104(842)
我が物顔で地球を占拠する、憎き生物を滅ぼすために我らは宇宙を支配した。落ちよ怒りの鉄槌! 神鳴る力を見るがいい!! 「こうして恐竜は絶滅して、わたしたち猫が地球を支配したの。奴隷になる人類が誕生するのは、もうちょっとあとの話よ」


105(843)
当たったか? 「まだ。運の要素が大きいのよ」確率の問題より確実だろ。「たまにすり抜けるんだけど、やっぱり木星が大きいの。あっ、また外れたわ」とっとと地球に隕石を当てて、休みを取りたいもんだな。「終わったら一緒に温泉行きましょ」予約しとくよ。

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