オリンピック選手を輩出した名大陸上部。2年ぶりの男女優勝を目指して挑む七大戦
オリンピック2大会出場の鈴木亜由子選手を輩出した名大陸上部。名大生約120名と他大学を含めて総勢200名近くが所属し、昨年は男子駅伝チームが全日本大学駅伝に11大会ぶりに出場するなど、めざましい活躍をみせています。
7月27、28日に豊橋市陸上競技場で開催される七大戦に参加する陸上部の活動を紹介します。
陸上に集中できる環境が整う名大陸上部
陸上種目は千差万別。「トラック」と「フィールド」に大きく分類され、「トラック」は短距離や長距離、ハードル、競歩などが含まれます。「フィールド」は走り高跳びや三段跳びといった“跳躍”と、やり投げや砲丸投げなどの“投てき”に分かれています。
名大陸上部では競技ごとにパートが分かれ、各パート長がトレーニングメニューを考えたり、大会の出場メンバーを選考したりするなど、学生が中心となって練習に取り組んでいます。
跳躍のパート長を務める菅沼孝成さん(走り高跳び・工学部3年)は「名大は陸上部の活動が盛んなので、入学できたら陸上を続けようと思っていました。競技レベルが高く向上心のあるメンバーに囲まれ、全天候型のトラックでいつでも練習できるのがウチの強みです」と、練習環境の良さを話します。
菅沼さんは、跳躍の外部コーチを務める大井拓也さんとの出会いが成長のきっかけになったそう。「高校までは練習本数を1日10本以内と何の疑問もなく決めていたのですが、 “1日に30~40本は跳ばないといけない”と教わり、練習量を大幅に増やしました。最初はきつかったですが、徐々に基礎体力も向上し記録も伸びました」と、自身の成長を実感しています。
男女ともに優勝を目指す七大戦
おととしの七大戦で男女ともに優勝を勝ち取った名大ですが、昨年の七大戦は男子3位、女子4位と順位を落とす結果に。今期の男子主将、中川大輔さん(長距離・工学部4年)と女子主将の坂口なつこさん(短距離・経済学部4年)は口をそろえて「男女ともに優勝を目指しています」と雪辱を誓います。
昨年の七大戦以降、優勝するためにはどのくらいの記録が必要か戦力分析を行い、メンバーに共有して意識付けをしたとのこと。また、選手の勧誘に力を入れた成果もあり、「今年は男子の投てきや女子の跳躍などで経験者が入部してくれ、1年生ながら入賞の可能性がある選手がそろいました」と、中川さんは新入生の活躍に期待します。
今大会の注目選手を聞くと、女子主将の坂口さんは「自分ですかね(笑)」と冗談交じりに答えます。坂口さんは高校時代に東海大会で準優勝(100mハードル)するほどの実力者。体格に恵まれているほうではありませんが、持ち前の柔軟性とバネのある走りでハードルを楽に超えることができ、ハードル間もスピードを落とさずに走ることが強みです。
七大戦では100mハードルと4×100mリレーに出場予定。100mハードルでは1年生のときから3年連続で優勝するなど圧倒的な強さを誇り、今年の東海インカレでは大学での自己ベストを更新するなど4連覇への死角がありません。「個人4連覇はもちろんですが、チームで挑むリレーでも結果を残したいです」と話します。
男子主将の中川さんのイチオシ選手は、3000mSC(障害)で七大戦2連覇中の小川海里さん(長距離・工学部4年)。小川さんは「今年は5000mにも出場するので、どちらかに偏ることなく、2種目できっちり得点を獲得してチームに貢献したい」と、意気込みをみせます。中川さんと小川さんはともに、今秋の出雲駅伝のメンバー入りと、今冬の東海学生駅伝での2連覇を見据えて練習に励んでいます。
中長距離の女子パート長を務める佐藤綾畝(あやせ)さん(長距離・医学部保健学科3年)も注目選手のひとり。昨年の七大戦では3000mに出場するも結果は5位に終わり、惜しくも得点を獲得することはできませんでした。今大会は4位以内の入賞と自己ベスト更新を目標に掲げ、「他のメンバーのちょっとした変化にも気付いて的確なアドバイスができるようになりたい」と、責任感をもってチームを引っ張っています。
【追記】
七大戦 男子陸上・最終順位
1位 京都大学
2位 東北大学
3位 大阪大学
4位 東京大学
5位 九州大学
6位 名古屋大学
7位 北海道大学
男子主将、中川大輔さんの大会終了後コメント:
「七大戦男女総合優勝をチームの目標に掲げ、1年間取り組んできましたが、非常に悔しい結果となりました。しかし、チームとして大切にしてきた“陸上を楽しむ”という気持ちを一人一人が持って、最後まで戦うことができました」
七大戦 女子陸上・最終順位
1位 大阪大学
2位 京都大学
3位 東北大学
4位 北海道大学
5位 名古屋大学
6位 九州大学
7位 東京大学
女子主将、坂口なつこさんの大会終了後コメント:
「個人・チームともに目標は達成できませんでしたが、悔しさより人生最後の試合をやり切った気持ちが大きいです。コロナで陸上を辞めようと思った時期もありましたが、10年間続けてきて良かったです。後輩たちにはこの悔しさをバネに、来年リベンジしてほしいです」
▼▽▼七大戦についての紹介記事はこちら▼▽▼
<リンク>
・名古屋大学 公式ホームページ