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【書評】ドイツ料理のシェフがクラシック作曲家ゆかりのレシピとエピソードを纏めた「音楽家の食卓」

こんばんは。名古屋クラシック音楽堂(@nagoyaclassicca)です。最近読んでいる本があって、すごく面白かったのでご紹介したいと思います。

書評とか読書感想文ってすごく苦手なジャンルなんですが、1人でもこの本を実際に手に取る方がいれば嬉しいです🎶

音楽家の食卓~11人のクラシック作曲家ゆかりのレシピとエピソード(野田浩資/誠文堂新光社)

あのクラシックの名曲を生んだ音楽家たちは、どんな料理を食べていたのだろうか?激動の歴史のなかで、旅のなかで、暮らしのなかで。音楽を愛するドイツ料理レストランのシェフが、現地を訪ね、資料を探し、厨房に立ち、まとめた一冊。音楽家の足跡をたどりながら、ゆかりのレシピに迫ります。

クラシック音楽では超有名なドイツ・オーストリアを中心に活躍した11人の作曲家たちが幼少期に食べたであろう料理、演奏旅行中に出会ったであろう食べ物、宮廷や貴族に招待された際に出されたであろう豪華な食事をレシピとして49も紹介されている。

掲載されている料理の写真がどれも美味しそうで読んでいておなかが減ってきます。。。

ちなみに表紙に載っているのは、ベートーヴェンの生誕地ボン周辺の郷土料理「ライニシャー ザワーブラーテン(牛肉の蒸し煮 ライン河風)」だそうで、当時は牛肉の値段が高くて馬の肉が使われていたようです。

この本の著者、野田さんのお店「ツム・アインホルン」の通販ページから購入することも可能です!

この他にも、お金がなく腹ペコだったバッハを救ったニシンにまつわる料理「ゲバイツアー ヘーリング(ニシンのマリネ)」や、モーツァルトが大好きで人生最後に食べたと言われる「シュワイネシュニッチェル ミット ピルチェン(豚肉の薄切りソテー きのこソース)」、恋人ジョルジョ・サンドが病床のショパンのために作ったとされる「コンソメー ジョルジョ・サンド(コンソメスープ ジョルジョ・サンド風)」など興味津々なレシピばかり!

11人の作曲家の生涯をざっくり知れる入門書

この本では以下の作曲家の生涯と、その人にゆかりのある料理のレシピが紹介されています。

・ヨハン・セバスティアン・バッハ
・フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
・ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
・ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
・フランツ・ペーター・シューベルト
・フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ
・フレデリック・フランソワ・ショパン
・ロベルト・シューマン
・フランツ・リスト
・リヒャルト・ワーグナー
・ヨハネス・ブラームス

1人ひとりの伝記を読むのは大変ですが、10~20ページくらいのちょうどいいボリュームで作曲家の生涯について知ることができるのもこの本の魅力です。

しかも、食生活や恋愛・人間関係、その時に作曲した曲などが文章の中で紹介されているので、いわゆるクラシック音楽入門書や、西洋音楽史の中で紹介される人物像よりもより人間らしさを感じることができます。

クラシック音楽と料理のおいしい関係

この本が面白いのは単にドイツ料理のレシピを紹介したレシピ本ではないところ。人にとって、食事や料理というのはその人のライフスタイルや趣味嗜好が最も表れる場面ですよね。

さらに、レシピに登場する食材は当時からその国・地域で使われていたものを用いるので時代背景や文化も透けて見えてくるものです。

音楽室に飾られた威厳たっぷりの肖像画のイメージしかない大作曲家も同じ人間。当時好んで食べていた食事や、その食事に関するエピソードを知ることは、クラシック音楽自体を身近に感じさせてくれると思います。

料理好きな方はぜひレシピを元に18~19世紀の西洋料理にチャレンジしてみてはいかがでしょう?

クロワッサンやマカロンの誕生秘話や、日本での「第九」初演のエピソードなどのコラム記事も面白い

この本には11人の作曲家のエピソードの他に、6つのコラムが紹介されています。

①ウィーンのパン屋で生まれたクロワッサン
②「交響曲第9番」日本での初演とドイツ人俘虜
③日本人作曲家、滝廉太郎の海外留学
④映画「別れの曲」のショパンの姿
⑤夢見るバイエルン国王、ルートヴィヒ2世
⑥マカロンとマリー・アントワネット

どうですか?タイトルだけでも興味津々ではないでしょうか?詳しくはぜひ本文を読んでいただきたいのでネタバレはしませんが(笑)

名古屋クラシック音楽堂でも、皆さんにクラシック音楽を身近に、楽しんでいただけるようなコラム記事に挑戦していきたいと思います。

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