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文学部に進学したかった私が看護学科に進んだ話(在学中編)

 今回は、文学部に進学したかった私が、夢を諦め看護学科に進んだ後のお話です。進学編はこちら。

 まず、大学在学中、こと実習中に関してはとても辛かったです。

 前提が大問題なのですが、そもそも私は看護に興味がないのです。とは言っても何かを学ぶことは好きだったので、幸い看護の勉強そのものを辛いと思ったことはありません。しかし、実習はそういうわけにもいきませんでした。看護師と言えば、優しくて頼りになる存在でしょう。しかし、実習生の立場になってみると、なかなかどうして恐ろしい人間の話もたくさん聞こえてくるのです。命に関わる仕事なので、厳しいのは当たり前なのですが、看護学生は割と常に精神的に追い詰められていることが多いので、看護師の厳しさは、ほとんど恐怖そのものでした。
 そんな実習中、看護に興味のない私はモチベーションを維持し続けることがとても大変でした。看護師になりたいという気持ちが1mmでもあれば、「いつかこの仕事をする」という思いや「よりよい看護師になりたい」という思いで多少の困難は超えられたかもしれません。(そうでないかもしれませんが。)最も私を追い詰めたのは「こんな中途半端な気持ちで患者さんと関わって良いのか」ということでした。小児、褥婦、中年、高齢者…様々な患者さんと関わらせていただきましたが、決して無下にして良い感情など一つもあるはずがないのです。ですので、いくらモチベーションが低かろうが、辛かろうが、患者さんを前に看護学生として在らねばならない時だけは、できる限り真摯に看護と向き合うこと、それだけは意識してきたつもりです。

 そうしてやがて就活の時期を迎えます。私はこの時とても悩んでいました。看護師にはなりたくない、という思いの中には、いくらか「私にはできない」という思いも含まれていたため、実習を行い、同じ仲間と過ごすうちに、いつかは諦めて流れに乗って看護師になろうと決意するだろうと思いながら4年間過ごしていたのですが、大学生活を送れば送るほど、看護師になりたくない思いが強くなっていったのです。それどころか、「文学部に行っておけばよかった、文学部に行きたかった」そういう思いがどんどんどんどん膨らんで、宛のない恨みや後悔に毎日のように苛まれていました。
 そうしてこの思考が巡り巡ると、やがて高校選択そのものに後悔の始まりがあるのだと思ってしまうようになるのです。私が行った高校の偏差値は30台。あまり勉強をしている生徒は居ませんでした。それどころか、本を読む生徒もいません。しかし大学に入り、同じくらいの学力の友人や、私よりもっともっと賢い友人と話すと簡単に私の言葉が通じるのです。そして、彼らと話す中で、高校の中での「勉強のしやすさ」が私と桁違いであることに気がつきました。教師も大学受験を第一に考えて授業をしてくれる。そもそも前提が大学受験であるのです。私の高校では、前提は専門学校への進学や短大、地方私立大学であり、特例として国公立/難関私立大学の対策でした。

 大学に行けば報われると思っていた私にとって、これは本当に辛い出来事でした。私が本当に好きだったのは、文学だ。やりたいことを大学で学ぶ、そんな単純なことすら、高校生の私は分からず、相談する相手も見つけられなかった。私は環境を呪うしかありませんでした。本当のことを言うと、これを書いている今でも諦めはついていません。もったいないことをした気持ちでいっぱいです。

 そうしているうちに私の頭の中で「養護教諭になる」という案が浮かんできました。幸い保健師の免許を取得するための科目は全て履修済みであったので、申請すれば養護教諭二種の免許を取得することができます。名案だと思いました。まず私は養護教諭一種と二種で採用のされやすさに違いがあるのかを調べ、また、二種の免許を一種にするにはどうすれば良いのかを調べました。大体結論は出たのですが、高校生活で誰にも相談をしなかった結果失敗した私は、これを早速チューターの先生に相談することにしました。

 結論から言うと、ここで大学院への進学を勧められました。
 私のチューターの先生は専門が小児看護であれども学校看護ではなかったため、学校看護の先生に一緒に相談に行くことになったのです。そこで学校看護学の先生は私に「二種免許では採用されにくい」とはっきりと仰ってくださいました。そして、私は養護教諭の実習へは行っていなかったため、いきなり就職するのは困難であると告げられました。私は落胆しましたが、先生は大学院に進学し授業をとると良いと続けます。免許についても一種よりさらに上の先週免許を取得できるそうです。しかし私は貧困学生です。大学院へ進学するお金などありませんし、現在ですらギリギリの生活をしていましたので、まずは充分にバイトをする時間はあるのか尋ねました。


 この時先生から「バイトをしている学生がほとんど。授業のない時はバイトできる。」と伝えられたことで、私は養護教諭になるためならとこの話に乗り、大学院に進学することとしました。

以下、大学院編に続きます(執筆中)

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