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句を読む―たおやかな字形

ほんたうの名前明かさず月の宴

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「相沢文子」

なんとなく、セクシー。
たぶん「ほんたう」という、ひらがなの響きから感じられるたおやかさに起因している。これが「本当」と漢字表記だったら全然違う。
ひらがなは「女文字」というけれど、字形のなめらかさからして女性の曲線が感じられる(昔は女性だけが使う字だったから「女文字」、という由来はわかっているのですが)。
「月の宴」とは秋のお月見のこと。今はSNSやマッチングアプリなどで知り合い、ハンドルネームだけしか知らないまま会うこともあるだろう。オフ会で月の宴を催すのも、また一興なのかもしれない。

(相沢さんの所属する「ホトトギス」を主導した高浜虚子。2万以上ある虚子の句から200句を選び、1句ずつ解説している本です)

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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