【苦労を買うのは二十歳まで】
博心堂鍼灸院の、いんちょです。
ぼくは、「若いうちは、苦労は勝手でもしろ」なんてことを、言われた世代です。
今でもそんなこと言われるのかなぁ。
昔から、若者に対して言われる叱咤激励ですかね。
同じような意味の言葉に、「鉄は熱いうちに打て」なんていうのもありますね。
では、「若いうち」とは何歳くらいまでか。
東洋医学的には、20くらいまでと考えていいんじゃないかなぁと思っています。
20歳あたりから、人の体の成長はほぼほぼ落ち着いてきます。
「男子は20歳の朝飯前まで背が伸びる」なんて言われています。
奥歯の「親知らず」は20歳過ぎに問題をおこしたりしますから、人によっては20代くらいまで、体の変化が著しいこともあるかもしれません。
東洋医学では、女性の妊娠適齢期を21歳から28歳をピークと考えます。
これはほぼほぼ実年齢と考えてもいいかもしれません。
21歳から28歳くらいまでの7年間は、自らの肉体を支えるゆとりとあまりある体力で、妊娠まで支えられるということですね。
ただ、現代人の生活習慣では、この限りではないです。
幼いころからの運動不足や、受験勉強などによる睡眠不足や偏食。
無理なダイエットや体にかなわない部活動などでの偏った肉体疲労。
精神的なストレスやスケジュールに追い回される慢性的な緊張は、根本的な体力を奪います。
だから女性の21歳から28歳までの一生で一番余力のある期間が、人によっては少なかったり、短かったり、なかったりすることもあるわけです。
話がそれてしまいましたが、20歳までの成長期に、人はある程度の負荷をかけて過ごすことで、カラダや精神のキャパは広がり、丈夫になります。
ほどよい運動や労働を体にしつけることは、精神を支える「屋台骨」が丈夫になります。
精神的な成長は、20歳を過ぎて社会に出てからいよいよ盛んになります。
それまでの間は、あまり「精神的な苦労」を重ねない方がいいんじゃないかなぁと個人的には思っています。
なにかと「やるべきこと」に追い込まれる現代日本の子供たちには、「押し付ける苦労」よりも「自分を取り戻せるゆとりの時間」のほうが必要なんじゃないかな、なんてことを考えます。
さてさて、話はそれてばかり。
20歳を過ぎてもなお、「苦労をわざわざ買って」いる人たちが、あまりにも多い日本人。
これ以上苦労を重ねても、肉体疲労や過労による体の不都合が増えるばかり。
苦労や負担を感じたら、ちゃんと休むことは必須です。
・仕事が疲れる
・人間関係が疲れる
・日常のスケジュールが疲れる
・家が疲れる
・休みの日が疲れる
こんな「何かに疲れる」ようなことがあれば、体に負担をかけながら過ごしている証拠。
「疲れる」を言葉にして、気持ちが楽になるようなら、そもそも「蓄積疲労」を宿しながら、毎日を過ごしている証拠です。
長らくの慢性疲労は、徐々に体の力を奪います。
「仕事で疲れるのが当たり前」と考えるのは、常識的かもしれませんが、体を基準に考えれば、「ありえない」こと。
率直にもっと楽をして過ごしたらいいのにとは思いますが、そんなことをおいそれと許してくれる社会ではないのかも。
であれば、少なくとも「疲れる」ことを効率的に過ごせるような工夫を重ねていくことは、とても大事。
「苦労を買う」のは20歳まで。
それ以降は、できるだけ「疲れ」知らずの毎日を過ごしていきたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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