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本屋大賞2005年『夜のピクニック』

今回の本屋大賞作品

2005年本屋大賞
『夜のピクニック』/恩田陸

偉そうに点数つけるなら・・・

青春             ★★★★☆(4/5点)
人を許すことで得られる世界  ★★★★★(5/5点)

一言で感想

俯瞰、諦め、怒り、拒絶・・・
そういうものを取っ払って、今という青春を楽しんだ方が人生楽しいのかも、と思わせてくれた作品。

異母兄妹の思い

全校生徒が夜を徹して80キロ歩くという「歩行祭」。
そこで繰り広げられる青春ストーリー。

登場人物が多いけど、印象に残ってるのはメインの二人。
同じ高校、同じクラスの男の子(融)と女の子(貴子)。
異母兄妹。

貴子の方が父の不倫の結果生まれた子どもであり、
そんな貴子を融は毛嫌いしていました。

印象的なエピソードとして、
融が貴子を嫌っていた理由が「嫉妬」であるということ。

不倫相手の子どもであるにも関わらず、
貴子もその母もとても堂々としていること。
貴子が自分と同じような新学校に通っていること。

正直、融の気持ちはわからんでもない。
自分の家族の恥だから。
一般的なシングルマザーの母娘のイメージとは違うから。

でも、貴子はまったく悪くないわけで・・・

そんな貴子に嫉妬してしまう自分に腹が立つところもわかる。

なんやかんやあって(説明むずい ネタバレ防止)、
歩行祭の後半で二人は初めてちゃんと話をし、和解成立。

相手を受け入れることで、一気に未来に広がりを感じた融。
読み終えた後はすっきりした気持ちになれました。


おそらく作者が意図したものとは違うけど、自分なりに得た教訓


意固地にならず、今ある環境を受け入れることで

目に映る世界を青春色に染められる。

年齢に関係なく。




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