【感想】劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
みなさん!ヴァイオレット・エヴァーガーデンの劇場版はご覧になりましたか?
TV版は見たよって方は、終わる前に劇場へ、どうぞ。
そして「そういえば10話がすごいって聞くな…」とタイトルだけ聞いたことのある方も多いと思います。
見て!!お願い!!ネトフリで見れるから!!!(布教による先制攻撃)
(ネトフリのリンク探してたらもう一回みたくなってきたぞ…)
それでは、表現技法の無限さに魂捧げてんのかよ京アニ!ここがすごいぞ!!ってポイントを述べさせていただきたいと思います。
ご注意
ネタバレがありますので、閲覧の際にはご注意下さい。
あと注意といえば、映画館で見るともれなくマスクがびしょ濡れになるので、ティッシュをマスクに挟んで観劇しましょう。
物語の多軸構造
TV版では、ヴァイオレットが様々な背景を持つ依頼人と触れ合い、知らなかった感情を確かめることで、依頼人に寄り添って、伝えたいことを手紙にしたためていきます。
今作では、様々な物語が並行して語られます。主軸となるのは
・「病床で家族と友達に手紙を送りたいユリス」(ユリスの物語)
・「10話に登場した依頼人の娘であるマグノリア・アンの孫、デイジーが辿るヴァイオレットの軌跡」(アンの物語)
・「とうとう居場所が分かったギルベルト少佐と対面するヴァイオレット」(ギルベルトの物語)
という3つの物語です。
これらの物語は独立することで、30分のアニメにすることはできるかもしれません。
しかしすべての物語が密接に結びつくことによって、この「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品で伝えたいであろう、「時代を越えて受け継ぐことができるものの存在」そして「愛の伝え方」というテーマを一貫させることで、美しいフィニッシュを飾ることが出来たのです。
時系列をわざとずらすということ
本題に入る前に、この3つの物語を同時並行によって語ることで印象付けられるものを、メタ的な視点で確かめてみましょう。
今作での時系列は、「ユリスの物語」→「ギルベルトの物語」→「アンの物語」となっていますが、冒頭はアンの物語から始まります。
TV版を視聴した人にとっては、この手法は既に経験済みです。
しかしそれでも、ヴァイオレットが自動手記人形として活躍した時代は遠い昔であるということを確認させられ、ノスタルジーを感じてしまいます。結果として、視聴者は世界観や登場人物に感情移入し、違和感なく物語に引き込まれるのです。
また作品を通じて描かれた、「時には真面目過ぎるけど、真摯に依頼人に向き合うヴァイオレットの功績」が、後世にも残っていることを気づかせます。それが作品を観るうえで、一種の安心感を生み出しているのではないでしょうか。
「時代を越えて受け継ぐことができるものの存在」を、ヴァイオレットの軌跡によって視聴者の心の奥に刻み付ける演出は、見事なものでした。
依頼人と自動手記人形
後述の「ギルベルトの物語」で、ヴァイオレットの「愛してる」の意味を探す旅の答えが描写されるとするならば、「ユリスの物語」では、依頼人と自動手記人形の関係の大切な絆という重要なテーマが切実に語られています。
たとえ、距離・時代が離れていても、死別をしたとしても、依頼人の祈りは必ず届くというのがこの作品の信条ではないかと思います。
そして自動手記人形は、依頼人の言葉を代筆するだけでなく、言語化できない感情をすくい上げるという大切な役割を担っています。
ヴァイオレットがその役目を果たせるようになったのは、今まで蓄積した依頼人との絆があってこそです。ユリスに対し「本当は甘えたかったのに、弟がいる手前できなかったのではないか」と言える能力は、まさしく彼女の業績の集大成なのではないでしょうか。
ギルベルトとヴァイオレット、その立場の逆転
孤児だったヴァイオレットを引き取り、育て上げたギルベルト少佐は、彼女を戦争に巻き込み、取り返しのつかない負傷をさせていたことを後悔していました。
離島で本名を隠し、新たな生活を送っていたギルベルトは常に俯き、心を閉ざしていた頃のヴァイオレットそっくりでした。
一方のヴァイオレットは、「愛してる」の意味が分かるほどに成長しました。ですが顔色一つ変えずに業務をこなすこともある彼女も、ギルベルトの話を聞いた瞬間に表情を変え、余裕がなくなってしまうのは相変わらずでした(それが大きな魅力の一つなんですよね…!)。
そんな彼女は、今度は心を閉ざしてしまったギルベルトを連れ出すために手紙をしたためます。
「あなたの声が道しるべ」「願いはひとつだけ あなたの幸せ」
ギルベルトの影を常に追っていた彼女は、いつの間にかギルベルトの手をとり、助けるまで成長しました。
やっと会えた二人は、痛みや間違いから逃げずに成長し自由になっていました。そんな姿を見てもう涙せずにはいられませんでした…!
まとめ
最後に、主題歌を担当されたTRUEさんのインタビューは必見ですので、リンクを貼っておきます。
「想いはどんな壁があろうとも必ず届く」という大切なことをこの作品から教わりました。
また、大切な人には言わずに後悔するより、言って後悔するぐらいが、臆病な自分には丁度いいのかな、なんて思えるようになりました(筆者は言って後悔中です、でも仕方ないかなと思います)。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!まだ駆け出しなのでいいねやコメントいただけると飛び上がるほど嬉しいです!!
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