ヘッドスペース内の酸素がワインに与える影響

古酒のボトルでは頻繁に注目される液面の高さ。不思議とボトリングされてから間もないボトルで話題になることは稀です。

ボトルに充填されたワインは、長い年月をかけて瓶熟成していくといわれています。この時に大きな役割を果たしているといわれるのが、コルクです。

コルクは呼吸をする、とは以前からよく言われていることです。コルクの呼吸を通してワインには微量の酸素が供給され、これがワインの熟成を促すといわれてきました。

しかしワインが熟成の全期間中を通して消費する酸素の総量に注目すると、これは必ずしも正しくはない指摘であることが分かります。熟成に必要とされる酸素量のほとんどは、コルクを通してではなく、ヘッドスペースを通して供給されていることが分かったからです。

ワインの量と品質の関係 | 液面の高さは何を語るのか

ここでは検証レポートの結果をもとに、ヘッドスペースの大きさとそこに含まれる酸素量の変化が瓶熟成中のワインにどのような影響を与えたのかを解説していきます。

この記事はオンラインサークル「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿した記事の内容の一部を再編集したものとなります。
#サークル記事

ここから先は

2,815字 / 5画像

¥ 498

PayPay
PayPayで支払うと抽選でお得 〜1/7まで
ポイント
抽選でnoteポイント最大100%還元 〜1/9まで

ありがとうございます。皆様からの暖かい応援に支えられています。いただいたサポートは、醸造関係の参考書籍代に充てさせていただきます。