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炭酸をよりよく味わう方法

クリスマスや年末年始にスパークリングワインを楽しまれた方は多いのではないでしょうか。

炭酸があってこそのスパークリングワイン、と思われていることも多いと思いますが、実際には炭酸が抜けてしまった後にも同じスパークリングワインがとても美味しく感じられることがあります。しかも場合によってはまったく別のワインを味わっているような感想を持つことさえあるほどです。

実はこれにはきちんとした理由があります。まだガス圧が高い時に飲むスパークリングワインでは炭酸の持つ効果によって我々飲み手自身の味への感じ方が変化しているのに対して、炭酸が抜けた後にはそうした効果がなくなっているために通常の味覚で味わっているのです。そうすると飲んでいるのは同じワインであってもそれを判断する味覚の基準が違っているために、場合によっては別のワインを飲んでいるのではないかと感じるほどの差があるように思えます。

とはいえ、やはりスパークリングワインは泡と共に楽しみたいもの。そう思われる方も多いのではないでしょうか。

ヒトが炭酸の味をどのように感じているのかをより深く理解するとより一層、スパークリングワインが楽しめるようになります。この記事ではそうした炭酸の味を感じるメカニズムにもう少し踏み込んでいきます。

この記事はNagiと一緒に学ぶオンラインコミュニティ「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿された記事の一部を再編集したものとなります。
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