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教授の話はチルアウトミュージック

4時限目を受けてる時の、窓から差し込む光が1日の中で最も好きだ。教授の言葉はチルアウトミュージックが目に見えて踊るように、耳に入っては窓の外へ流れていく。私にとってその時間で重要なのは光だ。
光が、木々を揺らぐ。
絵画のように幻想的で美しい空間を創り出す。
こっちにおいでと言われているようで、私は度々席を立ちたくなる。
そのまま窓を乗り越えて深緑の中に飛び込みたい。
私が溢れるくらいに包み込んで欲しい。
光を浴びたい。
思い切り吸い込みたい。
なんてことを考えていると終わりのチャイムが鳴る。
何も聞いていない講義内容。
私は何のために大学に通っているのか、分からなくなる事がよくある。高額な学費を支払ってまで私が手に入れるものとは。分からないけど、分からないから楽しいんじゃないかと近頃は考える。
大学に通う意味なんて分からないし、もしかしたら意味は無いのかもしれない。でも、意味は自分で見出すことができるし、意味の無いことをやることに人間の生きる意味があるのではないか。みんな意味の無い事のために必死に日々生きている。それでいいじゃないか。
友人と長々とお喋りしたり、家の中でダラダラ過ごしたり、無駄に買い物をしたり、そんな日々のために私たちは生きている。少なくとも私はそうである。
だから、教授の話がいくらチルアウトミュージックだと言っても、窓の外を眺めるだけの時間になるとしても、私はなんとか大学に通っていこうと思う。
明日も明後日も友人とダラダラとお喋りしたいからね。
そんな無駄な日々、そんな幸せな日々。

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