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渚乃雫
2021年3月9日 23:38
閑話 兄と友人の6月14日 「なんか思い出しちゃうよねぇ」『……なにが?』「え、うーん、西とボクが喧嘩した時のこととか」『かずがひたすらにモテまくってた時のこととか、な』「ああ、西、やっと来たね」「悪い、待たせた」 住んでいる家の最寄り駅で待ちあわせをした友人、兼、同居人が電車を降りた、と電話がかかってきてから数分間、ボクは友人と話しながら、昼間に別れた少し不器用な弟のことを思い出
2021年3月6日 20:17
第15話 6月15日「あ」「あ、おはよう、千家(せんげ)くん」「お、はよう」「うん?」 寝坊をせず、遅刻ギリギリではなく、7時55分に学校に着くバスに乗っていれば、途中のバス停で羽白(はじろ)さんが乗ってきて、ふいに昨日の兄貴の言葉を思い出し、変な挨拶になった。「どうかした?」「……うん?」「うん?」 普通に、俺の横に並んだ羽白さんは、俺よりも少し背が低いからか、自然と少
2021年3月6日 20:10
第14話 6月14日「買い物?」「そ。誕生日の時は仕事があって帰ってこれないからね。少し早いけど、誕生日祝いもかねて、成浩(なるひろ)のプレゼントを一緒に買いに行こうと思って」 昨晩の夕食時に言った兄貴の言葉に、「あ、今月、誕生日か」と呟いた俺に兄貴は「成浩らしいな」と笑った。「で、何か買うか決まった?」 昨晩、兄貴が言った通り、駅前にある大きなショッピングモールまで買い物に来た