渚乃雫

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渚乃雫/なぎのしずく と申します。 職業物書き目指し中のweb小説書き家! 読んでくださると嬉しいです。 ファンタジー/歴史/恋愛/軽めBL/など色々かきます。 書籍掲載→5分後に先輩にときめく恋(角川ビーンズ文庫) 日常からネタ、宣伝まで色々な予定です(予定は未定)

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  • 僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー

  • 短編小説

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web小説(自作)まとめー随時更新

こんにちわ。渚乃雫です。 自己紹介ページを作っていてナギノは思いました。 「僕に、書いている種類が多くないか」と。 そんなわけで、公開中の作品まとめページを急遽作成です(・∀・) .☆.完結済 .☆.。.:*・゚ ♡恋愛ファンタジー♡ この恋は飴より甘し。 ~ 飴よりも甘いツンデレ騎士に愛されてます。~ ツンデレな幼馴染みは、騎士団副団長になって私に求婚するらしいです。 エブリスタさん アルファポリスさん / カクヨムさん / 小説家になろうさん / ♡冒険

    • 僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #閑話 善人視点2

      閑話 善人視点2 「なんかさぁ。最近、帆夏(ほのか)と千家(せんげ)、いい感じだと思わない?」 「いい感じって?」 「何ていうか……あと一歩、だと思うんだけどなぁ」  親友と、幼馴染みを眺めながらそんなことを言っている隣のこいつも、オレの幼馴染みで、物心がついた頃から一緒にいた。その表現がぴったりくるほど、家も近いし、両方の両親の仲もいい。  そんな怜那(れいな)の楽しくてたまらないという表情の先にいるのは、今日の日直で、二人揃って黒板を消している なるとはじろんで、怜那の

      • 僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #閑話 兄と友人の6月14日

        閑話 兄と友人の6月14日 「なんか思い出しちゃうよねぇ」 『……なにが?』 「え、うーん、西とボクが喧嘩した時のこととか」 『かずがひたすらにモテまくってた時のこととか、な』 「ああ、西、やっと来たね」 「悪い、待たせた」  住んでいる家の最寄り駅で待ちあわせをした友人、兼、同居人が電車を降りた、と電話がかかってきてから数分間、ボクは友人と話しながら、昼間に別れた少し不器用な弟のことを思い出す。 「珍しく随分買ったな」  服屋の買い物袋を手にしたボクを見て、西はほん

        • 僕とキミと写真と虹と、時々サボテン。

          なんてことない日常は、大事なもので積み重なっている。(読み切り短編) 「虹の中って、どんな世界に見えると思う?」  そう言って笑った君の横顔が眩しくて綺麗だった。  この笑顔をずっと見ていたいと、思った。  この笑顔を、僕が守ろうと思った。  それなのに、  泣かせたのは僕だった。  笑顔を奪ったのも僕だった。  だから、  さよならをしよう。  君の笑顔のために。  君が笑顔を取り戻すために。  そう思いながら仕事に追われる日々だったけど。  何の前触れも無く、君

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        • 僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #閑話 善人視点2

        • 僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #閑話 兄と友人の6月14日

        • 僕とキミと写真と虹と、時々サボテン。

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        • 僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー
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        • 短編小説
          2本

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          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #15

          第15話 6月15日 「あ」 「あ、おはよう、千家(せんげ)くん」 「お、はよう」 「うん?」  寝坊をせず、遅刻ギリギリではなく、7時55分に学校に着くバスに乗っていれば、途中のバス停で羽白(はじろ)さんが乗ってきて、ふいに昨日の兄貴の言葉を思い出し、変な挨拶になった。 「どうかした?」 「……うん?」 「うん?」  普通に、俺の横に並んだ羽白さんは、俺よりも少し背が低いからか、自然と少し上を向いて問いかけてくる。  それは、いつもと変わらないことのはず、なのだか、

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #15

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #14

          第14話 6月14日 「買い物?」 「そ。誕生日の時は仕事があって帰ってこれないからね。少し早いけど、誕生日祝いもかねて、成浩(なるひろ)のプレゼントを一緒に買いに行こうと思って」  昨晩の夕食時に言った兄貴の言葉に、「あ、今月、誕生日か」と呟いた俺に兄貴は「成浩らしいな」と笑った。 「で、何か買うか決まった?」  昨晩、兄貴が言った通り、駅前にある大きなショッピングモールまで買い物に来たものの、あまり物欲とセンスのない俺に欲しいもの、と聞かれても思い浮かばない。

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #14

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #13

          第13話 6月13日  ガチャ、と静かだった家に音が響く。 「父さん? 忘れ物?」  ついさっき、母さんを迎えに行きがてら買い物に行く、と家を出た父さんが、何か忘れ物でもしたのか、と開けっ放しにしておいたリビングのドアに向かって声をかける。 「あれ? 成浩(なるひろ)一人?」  そう聞こえた声は、俺の予想とは、違うものだった。 「……なに?」 「いやー?」  にこにこ、と妙に楽しそうな表情を浮かべて、リビングのソファの背もたれから腕を伸ばしながら、台所にいる俺を

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #13

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #12

          第12話 6月12日 「……くだらな」 「…仰るとおりで」 「あんたたち、高校生でしょうよ」 「……うっせ」  久方ぶりに、正座、というものをさせられている。  目の前には、腰に手をあて仁王立ちをしている寺岡さんと、「れ、怜那(れいな)ちゃん」と焦った表情をしている羽白(はじろ)さんの姿。  そして、俺と同じように正座をさせられているのは、思い切り不貞腐れた表情をしている照屋善人(てるやよしと)、だ。 「善人(よしと)、反省してないでしょ」 「うっせえな。反省もなに

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #12

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #11

          第11話 6月11日 「あー、えっと、委員長。それ持とうか?」 「え、あ、ありがとう」 「どこまで?」 「教室、なんだけど」  図書室に寄った帰り道、照屋(てるや)と羽白(はじろ)さんはまだ委員会があり、寺岡さんも、羽白さんと戻るとのことで、まだ図書室にいる。  特に本を借りる以外にやることの無かった俺は、一人先に借りた本を片手に廊下を歩いていたのだが、前方から、結構な量のプリントとノートを抱えて歩いてくるクラスメイトを見つけ、思わず声をかけた。  ブレザーのポケットに借

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #11

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #10

          【6月10日 】  今日も、雨。  昨日、帰宅して天気予報を見たら、どうやら先週末に梅雨入りをしていたらしい。  特に気にしていなかった、とテレビを見ながら呟いたら、母さんに、「しばらくバス通学なんだから、少し早く起きなさい」と言われた。  とはいえ、少し早く、といっても、1時間も30分も早く家を出るわけじゃないし。そう思い今朝も、いつもと変わらずにのんびりとしていたら、思いの外、バスまでの時間がギリギリだった。  朝ごはんを食べる時間が足りない。  そう思い、また駅前の

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #10

          読み切り『探偵の彼と凡人の私』

          探偵の彼と凡人の私 「ってことが、あったのさ」  なんてことのない、普通の日。  自分はいつもと変わらない毎日を過ごしてきたというのに、何故かこの友人はまた、面倒ゴトに巻き込まれていた。 「殺人事件に巻き込まれるの、これで何回目です?」 「もう覚えていないよ」  確か、密室殺人が、一番初めだったのではないか。  そのあと、毒殺事件に、替え玉事件に、無差別殺人に見せかけた計画殺人事件。  飲み物に毒物を入れた事件を聞いたあと暫くは、出先で淹れられた飲み物に警戒心しか芽生

          読み切り『探偵の彼と凡人の私』

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #9

          第9話 6月9日 「おはよう」 「あ、おはよう。千家(せんげ)くん」  カタン、と引き出し椅子の音が響く。腰を下ろし、カバンの中から朝飯のパンを取り出していれば、なんとなく、視線を感じた気がして顔をあげれば、こっちを見ていたらしい羽白(はじろ)さんと目が合った。 「どうかした?」 「千家くん、それ、朝ごはん?」 「ああ、うん。寝坊した」 「今日はバス?」 「そう。午後に雨降るって言ってたのすっかり忘れてて」 「ふふ、だからか」  くすくす、と控えめに笑う羽白さんに、首

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #9

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #8

          第8話 【6月8日】 「千家(せんげ)くん、今日も速いね」 「…普通じゃないか?」 「そうかなぁ。私は速い、って思ったよ?」 「…まあ…一回読んだことあるし」 「これも読んだことあるの?」 「え、うん」  パタン、と読み終えた本を閉じながら答えれば、羽白(はじろ)さんが驚いた表情を浮かべる。 「小学校の時も、図書カードにいっつも千家くんの名前があるなぁって思ってたけど、本当に色んな本、たくさん読んでるんだね」 「それを言ったら羽白さんだって結構いろいろ読んでるだろ」 「

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #8

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #7

          第7話 【6月7日】  何故だか、パッ、と目が覚めた。  時刻は午前10時。  今日は日曜日。駄菓子屋の店番はない。  特に連日予定が入るようなタイプでも無い自分は、日曜日にのんびり起床しても誰にも咎められない。  もう少し寝ていても良かったはずなのに、何でこの時間に起きた……と、目が覚めたことにほんの少し後悔をしたものの、ぐぅぅ、と空腹を主張してきた音に、目が覚めた原因を知る。  とりあえず何か食べてから、眠りたければ寝ればいいかと、ぐぅぅ、とまた鳴った腹をさすりなが

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #7

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #6

          第6話 【6月6日】 「……ねむ」  本日、6月6日、土曜日。  今日は授業がない。部活も帰宅部の俺にとっては何もしない曜日で、いつもなら午前中いっぱいをかけて二度寝、三度寝をすることもしょっちゅうだ。  けれど、今日は照屋(てるや)に誘われたアルバイトがあり、そんな休みの日にもかかわらず朝9時に外を歩いている。  駅の北口側に住む俺の家から高校まではそれなりの距離があるため、通学に自転車を使っているが、駅までなら自転車を使うほどの距離でもない。  ましてや、駄菓子屋は

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #6

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #5

          第5話 【6月5日】「あ、千家(せんげ)くんだ」 「?」  ガチャン、と停めておいた自転車を動かしていると、背後から名前を呼ばれた気がして振り向く。 「……?」  そこに居たのは、少し驚いた顔をしている俺の隣の席の羽白(はじろ)さんで、「呼んだ?」と首を傾げながら声をかける。 「あ、ううん。あの……」 「?」  首をふるふると軽く横に振りながら答える羽白さんが少しだけ困ったような表情を浮かべる。 「呼んだ……というか……」 「?」 「つい、千家くんを見つけたから、

          僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #5