僕たちは陽氷を染める ー とある男子高生の6月の話 ー #閑話 善人視点2
閑話 善人視点2
「なんかさぁ。最近、帆夏(ほのか)と千家(せんげ)、いい感じだと思わない?」
「いい感じって?」
「何ていうか……あと一歩、だと思うんだけどなぁ」
親友と、幼馴染みを眺めながらそんなことを言っている隣のこいつも、オレの幼馴染みで、物心がついた頃から一緒にいた。その表現がぴったりくるほど、家も近いし、両方の両親の仲もいい。
そんな怜那(れいな)の楽しくてたまらないという表情の先にいるのは、今日の日直で、二人揃って黒板を消している なるとはじろんで、怜那の