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小説

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短編小説、小説をまとめています。 小説家になろう、にも掲載しています。
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#お仕事系

視点 第5章 縁

視点 第5章 縁

前回までのあらすじ

初めて一緒に仕事をした、梨花と鈴。
仕事終わりに行ったカフェで、梨花は鋭い観察力で、素晴らしいスタッフの
サービス内容を分析する。
驚いて聞く一方だった鈴は、梨花に懐いていた理由を話し始める。

*******

鈴は、梨花のことをなぜ知っていたのかと質問され一瞬,下を向いた。
しかしすぐに顔を上げて、語り始めた。

「私が大学2年の時に、大学で開催されたエアラインセミナーに

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視点 第4章 解答

視点 第4章 解答

前回までのあらすじ

中堅客室乗務員の梨花と、後輩の鈴はフライト後に五つ星ホテルに行った。
鈴は軽い気持ちだったが、梨花は別の目的があった。

鈴は、聞く気満々で身を乗り出している。

「カフェ・オ・レ冷めてない?」
と梨花は聞いた。梨花のロイヤルミルクテイもすっかり冷めている。

「いえ、大丈夫です」
「そうか。じゃあ最後の一つ」
そう言って、梨花は水を一口飲んだ。

「細かいことだけど、私たち

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視点 第3章 無意識

視点 第3章 無意識

〜これまでのあらすじ〜

中堅客室乗務員の梨花は、初めて佐藤 鈴とフライトした。

クールで落ち着いている雰囲気の梨花は、後輩から敬遠されるのに、なぜか鈴がなついてくる。

フライト終わりに行ったホテルの
テイールームで見た接客で、思わぬ「学びの時間」が訪れた。

第3章

鈴が、「あっ」と、パッと突然カメラを向けられた芸能人のように、表情が一変した。

「わかりました!」

また、手を挙げている

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視点 第2章 見えないもの

視点 第2章 見えないもの

〜前編までのあらすじ〜

中堅客室乗務員の梨花と、後輩 鈴は、仕事帰りにお茶を飲みに行った。

鈴は、軽い気持ちだったが、梨花には目的があった。

一章はこちら

鈴は、梨花の言葉を待っている。膝の上に、組んだ手を置いて聞いている。

梨花が言う。

「まず、すごいなと思ったのは、グラスを片付けて私たちを案内した時よ」

「え?普通に案内してくれただけ
ですよね」

「そう、案内は私たちの右側を歩

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