【感想】人はなぜさみしさに苦しむのか/中野信子
AC、HSPの私が人生で1番どうしようもなく病んだので、メンタル本を読み漁ってみて、せっかくだからまとめていくシリーズです。病んでいるので上手くまとまってないし、個人的に心に残った部分をまとめているだけです。
人はなぜさみしさに苦しむのか/中野信子
なぜ「さみしい」という感情が生じるのか、脳科学的、生物学的な視点から見た1冊。なぜ「さみしい」という感情をネガティブなものと捉えてしまうのか、科学的要因、社会的要因からも考察されている。著者は脳科学者、医学博士、認知科学者。
心に残ったこと
・寂しさは意志でコントロールできないよう仕組まれた本能
人類が生き延びてきたのは、社会的な結びつきを作れてきたから。それを維持するために、集団でいる時は心地よさや安心感を抱き、孤立すると居心地が悪くなり不安や寂しさを感じるようになった。寂しいという感情は、生存するために遺伝子に組み込まれていると考えるのが自然。生理的に生じてきてしまうものだから、コントロールできない。
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寂しい気持ちを生き延びるための本能と言ってくれて本当にありがとうございます…。寂しいなと感じたら、「私生きる力強いな」「生き延びようと頑張ってるな」と思おう。
・寂しい気持ちを持つのは何も悪いことではない。人の美学に振り回されない。
前述の通り寂しいのはその人の責任ではなく、劣っているわけではなく、むしろ脳が正常に機能している証拠。孤独を楽しめる人があたかも優れた人で、誰かに頼る人は劣っているようなイメージが社会的に定着してきているけど、そんな美学に振り回されなくていい。他人の美学に左右される必要はない。寂しがりやだからと言ってその人が特に性格的に問題があると言うわけではなく、頑張ればなんとかなると言う性質のものでもない。
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私は寂しがりやで、寂しさについてたくさん調べてきたから知っている。「寂しくなるときは何かに熱中しよう!1人の時間を充実させよう!」というメッセージがこの世にはあまりにも、あまりにも多い。裏を返すと「寂しい気持ちを紛らわせない自分が悪い」という言説ばかりが溢れている。たしかに寂しさから解放されるにはそれが1番の近道なんだろうけど、それができたら苦労しないし、こっちはそれでは満たされない気持ちがあるのだ。「寂しがりやが劣っているわけではない」とはっきり書いてくれて本当にありがとうございます…涙
・寂しさの原因を考えすぎない
寂しくなったら「脳が社会的な繋がりが失われることに対して、ネガティブに反応しているだけだ」と認知する。寂しさの原因を過度になんらかのできごとと紐付けようとしない。そうすると寂しい気持ちに振り回されることも少なくなる。
・自分の心の状態をそのまま受け入れる。
たとえば「自分にとって大事な人を失ってしまった、それによって自分の心が深く傷ついてしまった」という状態をそのまま受け入れるようにしてみる。他のもので埋めることができないのは、それくらいかけがえのない大事な人だったから。心はひどく傷つき、痛みを感じてるはずで、簡単に気持ちを切り替えられるはずがない。こんな自分はダメな人間だなどと自分を否定し、さらに傷つけてしまうこともあるかもしれないけど、そんな気持ちさえも自分の心に起こったこととして受け止めて行く。それは自分を大事にするということでもある。
・内面が豊かであればあるほど、傷を癒やすのには時間がかかる。
「タイパ」に振り回されない。迅速な処理よりも自分の気持ちとじっくり向き合うことのほうがずっと大切。自分の心としっかり向き合い、それを受け止めて、自分を育てていく。内面が豊かであればあるほど、相応の時間が必要になる。十分に癒すには時間がかかって当然。自分の隣にもう1人の自分がいるイメージで、相談して、優しく語りかけるのがよい。「時間がかかるのは悪くないよ、寂しいのは当たり前だよ」。
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ちょうど大事な人というか、付き合っていた人を失いまして。はたから見ると「なんだそいつクズだな!そんな男さっさと忘れな!!」という状況だったのだけど、なかなかそうもいかなくて。いつまでクヨクヨしてるんだろうと自分を恥ずかしく思っていた。が、傷つくのも時間がかかるのも、当然だよね。他の誰でもない私の心が傷ついてるのだ。その気持ちは誰かが否定できるものではない。今はまだまだ癒やしのターン。傷ついた分しっかり癒やしの時間をとろう。ゆっくりでいい。私のなかにはそれだけ愛情深い気持ちがあるということ。
・「これ以上の人にはもう会えない」と考えるのは認知の歪み
これ以上の人にはもう会えない、と考えるのは認知の歪み。幸せな思い出で自分を責めず、よく考えてみる。そんなに相性のいい相手だった?
脳は単純だから「出会いを獲得できた自分は幸せ」と思うと、そう思い込んでしまう。認知の歪みが正せたら、徐々に次のステップ(新しい出会い)に。
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傷つくし癒やすのに時間たっぷりかけよ、とはいえよく考えてみて?そんなにいい人だった?っていう著者からの語りかけ、女子っぽくてめちゃくちゃ好きだなと思った。
・寂しい気持ちがあっても生きていける。克服しなくてもいい。
寂しさに耐えたり目を背けようとしたりするのではなく、寂しさはある前提で、どう付き合っていくかを考えるのが賢明。寂しさに蓋をしない。寂しい時もあるけれど、人はそういう生き物だから仕方ない。それでもいい人生を生きていける。寂しさは本能だから、多くの人が感じる当たり前のもの。それによってつながっていてる。さみしい気持ちに慣れていく。
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先にも書いたけど「寂しい気持ちは前向きな気持で書き換えていかないと!」と思い込んでつらくなっていたな。寂しさも自分の一部だから、認めていきたいね。寂しい気持ちも大切に、抗わず、受け入れていきたい。
・自分を「メタ認知」する
「私が寂しがりやであることを、私は知っている」「自分は不安を感じやすいタイプだけど、何もそんなに重大に捉えることではない」と自分で認知する。自分の思考や情動を客観的に見つめる。
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感情に波が起こったとき「この波はべつに大したことじゃない」と思うのってすごく有効だと最近気づいた。寂しい気持ちがやってきても、大したことではない。いつもどおりの私。
・落ち込むことに原因を与えすぎない
気持ちが不安定になって沈む、不安、寂しいなどの不快な感情が生じる原因は特定の出来事ではない。セロトニンの減少などにより自然と起こること。陽の光をあびる、お風呂で温まる、散歩する、トリプトファンを補給する、よく噛む。
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朝の散歩が本当に好き。めちゃくちゃ気持ちいい。落ち込んでると散歩さえ嫌になるんだけど、そういうときはじっと休んで、ちょっと動きたくなるのを待つのがよさそうだと最近学んだ。
感想
スピが入りこまない科学的な視点で「さみしくて普通だし、それって悪いことじゃないよ」って言ってくれて本当にありがとうございます…。この視点が科学的に正しいかどうかは実はどうでも良くて(というと失礼かもしれないけど)、「脳科学者がさみしくて普通だって書いてる」という事実がとても救いになる。さみしくても開き直っていこうと思った。
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