思い出の語り方にも色々ある。

大学で同じクラスになった彼女とは、今も直接会ったりして交流がある私の数少ない大切な友人の一人だ。

そんな彼女に会いに行く際に、思い出話に花を咲かせがてら私(や、私たち)について何か色濃く覚えていることはないか聞いてみようと思った。

というのも、自分が大きな出来事だと思っていることが意外と友人には些細なことだったり、その逆も沢山あるんだなぁと最近つくづくそう感じるからだ。

まずは私から見た彼女について語りたい。
なんといっても頭が良くてしっかり者という印象は出会ってから今に至るまでブレない。
とにかく授業に関しては大変お世話になった。いまだに借りっぱなしのノートがある。(ごめん)
しかも学期末テストの為にそのノート借りたのにしっかりと単位落とした。(重ね重ねごめん)

そして愛嬌がありコミュ力も高いので交友関係が広い。
当時のクラス以外にもサークルやバイト先、その他の集まりでしっかりと自身の居場所を作ることができるのは純粋に凄いと思う。

あとフットワークが軽い。
その軽やかさのお陰でいくつ楽しい思い出ができたことか。
ここ行きたい、これしたいという発端は大体私の漠然とした発言だったりするが、それを「わかる〜(社交辞令)」ではなく「いいね！」とその気にさせてくれてしかもちゃんと実現する。
特に音楽フェスやライブなんかは完全に彼女なしでは人生で一度も楽しむことはなかったかもしれない。

おっと思いのほか熱い他己紹介になってしまった。

さて、彼女と合流した車の中で話を切り出す。
手始めに第一印象について。

「髪色が派手！オシャレだった！」
ありがとう。内面的にはどうだった？
「暗い！病んでた！」
ウケる。(ウケてない)
ちなみに今は印象変わった？
「落ち着いたししっかりしたよね！明るくなった！ちゃんと明るくなって本当に良かったと思ったよ…」
ありがとう…

本題なんだけど私に関することで思い出深い出来事ある？5個ぐらい。(欲張り)
「博多旅行！めっちゃ楽しかった！」
あれ良かったよねー！また行きたい…

「あと学校終わりに栄(名古屋市内)によく行ったことかな」
へー！なんで？
「地方から出てきた身で(当時は市外の大学のすぐ近くで下宿していたから)栄に遊びに行こうというのは自分自身では絶対考えなかったから、一番最初に街に連れ出してくれたのが藍！」
ほーん！(誰かの「きっかけ」を作るってなんだか嬉しいなぁ…)

あとは？
「ラブシャ(フェス)に藍の運転で行ったこと！藍の運転なのがポイント！」
え？？？私運転したっけ？
「免許取りたてで初心者マーク付けてたのに高速けっこう飛ばしてて死ぬかと思った」
ごめん

「あと藍覚えてるかな、○○(友人)にメイク教えたこと。」
全く覚えてない。
「○○がつけま付けるの何回も練習したじゃん」
あーーーー！！！そうだったね！！！！
結局つけま付いたっけ？
「付かなかった」

「あと毎年花火したよね。意味も無く。」
したね…
「たまにゲスト呼んだりして。」
その時カメムシも乱入してクッッッッサ！！クサ！！！ってなったよね…
「ほんとに意味の無い時間だったよね…」
時間と元気が有り余ってる大学生だからこその過ごし方だったよね
「え、私が地元帰るまでは社会人なっても花火してたよ」
(そうだったわ…)
いやー20代前半の若さあってのことよ。
「けど今も花火しよって言われたらするでしょ？」
する。

博多旅行みたいな行事ばりの思い出がもっと出てくると思いきや
自分では全然覚えてないぐらいの些細なことがぽんぽん出てきた。
急に話を切り出すのは少し照れくさいかもしれないが、自分とのことで思い出深いことはないか聞いてみるのは発見があって楽しい。

そして中でも大きな発見だったのが思い出の語り方だ。
私に関することで何か思い出ある？と聞いたら彼女は「藍が〜〜〜したよね。一緒に〜〜〜したよね。」と些細なことでも自分らが関わった出来事を主役にして語ってくれるのに対し、
私が彼女に関する些細だけど思い出深い話を出すならば
「彼女と行ったフェスで物販に並んでたら怖いお兄さんに意地悪言われた。」
「彼女とご飯してたら近くに周りが引くぐらいめちゃくちゃ声が大きい女の人がいた。」
「当日働いてたサロンのお客様で見覚えのある名前の方がいるなと思ってたら彼女のバイト先によく来るお客さんだった。」
などが真っ先に出てくる。

おわかり頂けただろうか…語り方のニュアンスが違うことに…
もちろん全てがそうではなく、ちゃんと思い出らしい思い出も語ることはできるのだが
咄嗟の思い出し方や話し方に癖みたいなのがあると気付いたのはとても面白かった。

あと上記の楽しそうな思い出は私が無理やり軌道修正して引っ張り出してきたもので
実際彼女から真っ先に出てきたのは私の黒歴史ばかりだったので
永槻のクリーンなイメージ(そんなものない)に傷がつく為大幅にカットさせてもらった。