見出し画像

すばらしき世界/身分帳



映画「すばらしき世界」(原案:「身分帳(小説)」)の西川監督のインタビューで見た、すばらしき世界(皮肉)という意味がよくわかった映画である。


真っ直ぐな人間にはとことん生きづらい世の中だ。

私たちは私たち自身を守るために、いったいどれほどの他人の不幸を素通りしてきたのだろうか。
人の不幸を見て見ぬふりをすることで、果たして自分の「幸せ」は約束され侵されないのだろうか。

器用に生き抜こうとする度に、心の中の何かが欠けていく。
心を空っぽにしてまで守りたいものの為に、今日も愛想笑いをする。
排除されないために。
あるいは広い空の下で過ごすために。

真っ直ぐには生きられないけれど、せめて真っ直ぐに生きたい誰かの邪魔だけはしないようにしようと誓うぐらいには
しっかりと感情移入しながら小説を読み、映画を観た。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?