そういえばパストラミも作ってくれた。
「パンチェッタ作る!」
ツレピがまた訳のわからないことを言ってきた。
パンチェッタ(イタリア語: Pancetta)とは豚のバラ肉のこと。またそれが転じてイタリア料理に使う塩漬けした豚バラ肉も同様にパンチェッタと呼ばれる。後者は俗に生ベーコンとも呼ばれる。(wikipediaより引用)
私は答える。
「いいね」
そもそも私自身が保存食を作るのに凝っていた。味噌はもちろん、ジャム、酢漬け、燻製、色んなものに手を出してきたつもりだ。
ただ肉はやったことがなかった。パンチェッタ、結構高いのに、アクセントになるからうっかり使っちゃって、あーあ、ってなるんだよな。しかも真空パックに入ってるやつ、めっちゃ少ないし。一食分にもならねぇ。
私は食いしん坊である。
早速「パンチェッタ 作り方」でyoutube検索をした。出てくる出てくる。パンチェッタを作ってる数寄者共。おじさんが多い。まぁ、なんか、わかる気はする。
とりあえず豚バラに塩を揉み込んで乾燥させればよいらしい、ということがわかったので、ツレピと近所のスーパーに行って塊を買ってきた。ツレピはその長細くも、かなりの重量感を伴った塊を抱え、大量の塩もカゴの中に放り込んで、ほくほくしていた。
結果から言えば、パンチェッタ作りは大成功したし、我が家の定番になった。スープに入れても、パスタに入れても、サラダにまぶしてもいい。人を呼ぶたびにパンチェッタを使った料理をした。ツレピが自慢げに
「パンチェッタは自家製!」
と話すと、人の良い客人たちは一様に
「金を取れ」「うめぇ、おかわり」
と調子付かせてくれる。そうすると、ツレピはまたそそくさと塊を買ってきて、ニコニコしながら塩を練り込んでいる。
今日も帰ったら、きっとツレピがパンチェッタを作って待っている。私はジャムでも作ろうかな。バレンタインも近いし、チョコジャムでも。