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栄養士でもない男がトマトを語る

先日、@くなんくなんさんから、「トマトやジャガイモの原産国も南米ですよね」「南米の貢献度は高いよね」とのコメントを戴きました。

くなんくなんさんは、シンガポールでの生活が長いこともあって、少し違った角度から物事を俯瞰できる方。記事も面白いです。

さて、トマトとジャガイモですが、実際に大航海時代を経て、南米から欧州に持ち込まれた作物です。

今ではすっかり日本の食卓にも欠かせない存在になりましたよね。

そういうわけで、今回のテーマはトマトです。

1)ナス科植物の秘密

欧州に持ち込まれたトマトやジャガイモですが、当初は「食べられるものではない」と敬遠されました。

実はどちらも、ナス科の植物なのですが、ナス科の茎や葉には毒が含まれている傾向があります。

ジャガイモに含まれるソラニンは有名ですよね。小学生の頃、家庭科の授業で習いました。

ソラニンの致死量は400ミリグラムですから、一般的な除草剤と同じくらいでしょうか。なかなかに強力なのです。

今では考えられませんが、当時は未知の作物ですから、緑の部分を調理しても不思議ではありません。

当然のように中毒が相次ぎ、有毒植物として認知されてしまいます。

とはいえ、食料の確保が難しい時代ですから、簡単に諦めるわけにはいかなかったのです。

その後、普及活動が功を奏し、ジャガイモは食物としての地位を固めることに成功します。一方のトマトは観賞用の植物として定着してしまいました。

今では、トマトの葉や茎を食べる人は殆どいないと思いますが、プチトマトなら如何でしょう?心当たりのある方は目を通しておいた方が吉です。

2)トマトの躍進

ジャガイモに遅れをとって、200年余、18世紀に入ってからようやく陽の目をみます。

トマトを食用に転換したのはナポリ王国で、パスタを大量生産することに成功し、ソースとしてトマトが使用されました。

ご存知の通り、日本でお馴染みの「ナポリタン」は、本場のナポリどころかイタリアにも存在しません。

日本が独自にアレンジして命名したのですが、これはナポリに敬意を払っているのだと思います。

「イタリア」ではなく、「ナポリ」を冠する名前にした所が素晴らしく、発祥の地をリスペクトしたよいネーミングです。

ここで庵忠さんの「ナポリタンの秘密」をご紹介しておきますね。

3)トマト故郷へ帰る

さて、ナポリといえば、もうひとつ有名なものがあります。そう、ピザです。

トマトソースを使用したピザは定番ですが、当時はナポリでしか食べることができませんでした。今風に言うならご当地メニューでしょうか。

かくして、トマトを使った料理は、ナポリから、欧州全域へと羽ばたいたのです。

トマトの快進撃は止まりません。欧州で認知されたトマトは、英国から海を越えて米国へと渡ります。

そして里帰りしたアメリカ大陸で産まれたのがトマトケチャップです。

もはや知らない人はいないと言っても過言ではありませんよね。文字通り世界の食事情を変える調味料の誕生です。

ところで、先にご紹介した庵忠さんの投稿ですが、コメントを含めて読み返してみると、興味深い記述が見つかりました。

「これは言及せねば」と思ったのですが、長くなりそうですから日を改める事にします。


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