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コタツで寝ると風邪をひく?

お越しくださる方と話している限りでは、コタツを利用する人が年々減少しているように思います。

コタツを敬遠する理由を尋ねてみると「ダメ人間になってしまうから」
という声が圧倒的に多いです。確かに一理あります・・・。

ところで「コタツで寝ると風邪をひく」という話は、よく耳にしますよね。本当でしょうか?

今回はコタツで眠ることの是非について考えてみました。

1)水分が減っていく

コタツは遠赤外線によって、肌の表面を温めているのですが、時間の経過に伴い徐々に深部まで熱が伝わっていきます。

温められた血液(主に脚)は、循環しますので身体全体が温まる仕組みですね。

自覚はできませんが、実はこの段階から体内の水分は減少していきます。

気付かないうちに消失してしまう水分は不感蒸泄(ふかんじょうせつ)と呼ばれ、肌や呼気から蒸散するもので汗は含みません。

コタツに入っていると発汗しなくても、不感蒸泄によって体内の水分がどんどん失われていくわけです。

さらに都合の悪い事実として、本格的に眠り始めると、ヒトに限らず生物は体温が低下します。

赤ちゃんや幼児の手が温かくなってくると「そろそろ眠いのかな?」という判断材料になりますよね。

睡眠に備え熱を放出する過程で手が温かくなっているわけですが、この現象は大人も同様で、眠る前には熱を放出して徐々に体温を下げていきます。

ところが、コタツで眠ってしまうと体温が下がりませんので、身体を冷やすために発汗が促されるのです。

2)風邪をひきやすい理由

上述しました通り、コタツで寝ると不感蒸泄と発汗により水分を消耗するのですが、時間が経てば経つほど顕著になります。

コタツで寝てしまい目が覚めると、やたらと喉が渇いているのはそういうことです。

ところで、喉や鼻の粘膜には、ウイルスの侵入を阻止するために免疫細胞が常にスタンバイしています。

風邪の予防として、加湿器が推奨されているのは、ウイルスの飛散を防ぐため、もうひとつが、喉や鼻の粘膜を乾燥させないためです。

コタツで眠り喉が渇いている状態は、免疫細胞が手薄であることを意味しますので、風邪をひきやすい状態だと言えます。

風邪を引きやすくなる主な要因をまとめると以下の通りです。

① 発汗により身体が冷えてしまう
② 水分が失われ喉や鼻の粘膜が乾燥する

3)その他の不安要素

風邪の他にも、健康を損ねそうな要素として自律神経の問題があります。

先述しました通り、睡眠中に体温が下がるべきタイミングにも関わらず、体温が高いままだと身体にとっては異常事態なのです。

それなら、発汗をコントロールしている自律神経に不具合が起こるのは必然でしょう。

さらに、上半身と下半身で感知している温度が大きく違っているのですから、これも自律神経を混乱させてしまう要因になります。

たまに寝てしまう程度であれば、そこまで気にする必要はありません。

ところが、毎日のように繰り返していると、体温や発汗を調節する自律神経は正常に機能しなくなってしまいます。

風邪をひいたとしても数日経てば回復しますが、いったん自律神経のバランスが崩れると元に戻すのは大変です。くれぐれもお気をつけください。

コタツで寝るのが好きな方には、耳の痛い話が続きますがデメリットはまだあります。

基本的なサイズのコタツは、小スペースですので自由に寝返りをうつことができません。

そうしますと、肩こりや腰痛に直結しますので、可能な限り回避したいところです。

4)まとめ

最後に、コタツで眠る事によるメリットとデメリットをまとめておきます。

メリット
・気持ちが良い

デメリット
・風邪をひきやすい
・自律神経が乱れやすい
・腰痛になりやすい

デメリットばかりではないか、とお考えになりました?

そんなことはありません。「気持ちよい」は重要なのです。

コタツは他の暖房器具と異なり、部屋の温度は上がりにくい傾向があります。だからこそ、限られたスペースの温もりが際立つのですよ。

ちなみに、僕は中学生の頃にMYコタツを手に入れてから、1度たりとも手放したことはございません。


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