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ばあちゃんの豆まき

もう2月ですねぇ
一昨日は節分でした
豆まきされた方もいらっしゃるかと思います

ただ何かと厳しくなり食べ物を無駄にするな、人に投げるな、鬼を仲間はずれするな、とひと昔前の節分の形とは変わってくるのかもしれません

そこでふと思い出したのが『ばあちゃんの豆まき』です
隣に住んでいたばあちゃん
節分の日には毎年夕方になると豆まきするから来いと、小学生だった私は2人の姉と3人でビニール袋をもちばあちゃんちの玄関前に集まる
ばあちゃんが家から袋いっぱいに入った落花生を持ってきてそれを玄関前にまき始める
ばあちゃんは何も言わず落花生を地面にパラパラっとまいて私たちはそれを黙々と拾う
そのシュールさに通りかかった友達に見られたら恥ずかしいなぁと思いもありながら落花生は好きだったので少しでも多く拾っていた
辺りは薄暗く玄関前のオレンジに光る電球だけがばあちゃんのまく落花生の位置を知らせてくれる
そしてまき終えるとばあちゃんは一言「おしまい」と言って家に入る
私たち姉弟はゆっくり立ち上がり家に戻ってチラシで箱を作りそこに入れ落花生を食べる
そして半分くらいはとっておき夕食後また食べ、食べ終わったらチラシの箱を蓋してゴミ箱に捨てる
そうして『ばあちゃんの豆まき』は終わりを告げる

今の時代を予感していたかのように全てに配慮された『ばあちゃんの豆まき』

寡黙だったばあちゃん
料理が得意だったばあちゃん
タバコを吸いながら相撲を見ていたばあちゃん
じいちゃんと毎日ケンカしていたばあちゃん
ゲートボールがきだったばあちゃん
私にハエが止まっててハエ叩きで容赦なく叩いてきたばあちゃん
自転車で転んでケガした時赤チン塗ってくれたばあちゃん

節分の日に豆まきからふとばあちゃんの事をいろいろ思いながらお湯割りのグラスを傾けた夜でした

ちなみにこの絵は豆まきで退治される「鬼」の由来になった鬼門(丑寅)がもし他の方角だったら鬼のイメージ像(牛と寅を混ぜたのが鬼)はこうなっていたかもなぁと思い昔描いた絵

関係ないけど鬼滅の刃泣けるよね

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