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平地を見ると高揚する。山を見ないと落ち着かない。

「へ・・平地が広がっている!」 

 長崎のお隣、諫早を旅行中、久しぶりに平地を見た。それは、市街地から東に広がる田んぼで、平らな土地がどこまでも続いていた。単なる平地に、なぜそこまで高揚するのか。それは、長崎が平地に乏しいからなのである。
 
 長崎市街地中心部に存在する平地は、そのほぼ全てが、元々海だったと考えて良い。約450年前の開港以来、戦国時代から現代に至るまでずっと、長崎は埋め立てによって土地を増やしてきた。長崎はよく「坂のまち」と言われるが、より正確に言うと「平地が極めて少ないまち」である。平地がないため、斜面地に家を建てるし、川を暗渠にし建物立てるし、海を埋め立て土地を増やしている。

 「坂のまち」長崎に移住して早2年以上。斜面地暮らしもすっかり日常になった今日この頃。ふと気が付くと、「平地を見るとテンションが上がる」ようになっていた。一方同時に、「山を見ないと落ち着かない」ようにもなった。普段山に囲まれて暮らしているので、山が見えないと、なんだか心が落ち着かないのである。先日関東に帰省した際、全然山が見えなくて、変な心持ちになった。

 平地を見ると高揚する。山を見ないと落ち着かない。最近の私は、こんな感じである。

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 余談だが、諫早で見た平地は、実は干拓によって人工的に作られた土地である。諫早も元々平地に乏しい。その事実を知った時「諫早…お前もだったのか…」としみじみ思った。長崎県内、どこも平地は多くないのである。

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