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日常に戻る / 東京帰省日記⑧

前回の続き。

長崎に帰ってきた。

バスを降り、大通りから少し外れた道を歩いて、市街地中心部へ向かう。絵に描いたような気持ちの良い青空。時折吹き抜ける風は、水分を含んでいるのか、少しひんやりしている。長崎駅周辺といえば、県内では空気が澱んでいる部類に入るのだろうけど、それでも、澄んだ空気を全身に感じて心地良い。

歩くにつれて、どんどんと普段の日常に戻っていく。いつもの道を歩き、いつもの仕事場に向かう。夜は、いつもの道で家に帰るだろう。2年前、長崎に移り住んできた当初は、見るもの全てが新鮮だった。今、このまちの風景は、すっかり日常になった。自分の居場所は、ここにある。少し前まで東京にいたのが、遠い昔のように思える。

コロナの影響もあったが、それ以上に、長崎の居心地が良すぎて、なかなか東京に行こうと思う気になれなかった。今回、所用で広島に行く用事があったので、その「勢い」を借り長崎の重力を振り切って、はるばる東京に戻ってきた。よく考えれば、「人生で初めての帰省」。軽い気持ちで帰って来たものの、思い返せばいろんな収穫があった。自分のやりたいことの輪郭がぼんやりと見えて来たこと。大事にしたい気持ちを再確認したこと。家族を久しぶりに感じたこと。たまには帰省するのもいいもんだと思った。

今日からまた、長崎での暮らしに戻る。


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