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海を全部利用するという考え方


先日、第1回魚ビジネス研究会をオンラインで開き、総勢50名弱の方にご参加いただきました。ご参加頂いた皆様、ありがとうございます。

その中でいろいろな事を話しましたが、1つ「水産資源の全利用管理」という、世に出していない新しい考え方について、お話をしました。

現状、日本の資源管理が向かおうとしているのは、生態系の高次の資源のみを科学的に管理する手法となりますが、これからは未利用資源も含めた生態系全部の管理が必要となってくるだろうという考え方です。

これは、旧来日本の漁業が取っていた考え方で、生態系ピラミッドの上だけでなく、斜めに均等に利用して生態系全体のバランスを壊さずに利用しようという考え方になります。

なお、その手法は、必ずしも漁獲量でコントロールする方法でなくてもよいとも思っています。なぜならば、何千種類(系群を含めるとさらに多くなる)の資源をいちいち数量的に把握していては、コストが莫大になるからです。主要資源については数量管理、細かな魚種については投入規制など、柔軟かつバランスの取れた方法が求められます。

2050年以降に迎えるとされるプロテインクライシス。これからの食糧問題について、昆虫食も注目されていますが、むしろタンパク質量でいえば、海の未利用資源の活用が不可欠です。

日本の漁業というのは、丸ごと1匹食べる食文化や季節ごとに様々な魚種を食べて負荷分散を図る慣習とも合わせて、元々生態系に非常に良い形を取っていました。

それがマス流通によって崩れ、海外の大資本の論理で悪者にされ、そこに無理やり合わせていっているのが現状です。

この現状を皆さんにも知っていただき、元々の日本のやり方も参考にしながら人類にとってより良い漁業の形をいうものをつくっていけたらと思っております。


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