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Rain before seven, fine before eleven.

三軒茶屋の路地の雑居ビル。

音大出身の若い人たちが経営するライブバー"四軒茶屋"は、面白い芸術家が沢山集まる隠れ家です。

集う客は年代もさまざま。

少なくとも、
TV番組で演奏しているミュージシャンには、必ず会う事が出来るんじゃないかしら、と思います。

ビルの怪しげなエレベーターはガタガタと揺れながら、隠れ家まで運んでくれます。

「あ、久しぶり!帰国していたの?」
扉を開けると、グランドピアノの前に見覚えのある顔がありました。

「うん、だたいま!来月からまたベルリンに一年間行くんだけどね。
 今、やりたい事が溢れていて、その為のお金も時間も、自分の為に使える。 その状態は最高に楽しいわよ!!」

と返す彼女は、世界を旅するヴァイオリン弾きの子でした。

彼女がカウンターで飲んでいたのは、透明な泡のサラトガクーラー。
まるで待ちきれない夏が弾け溢れてくるかように、元気に話してくれます。

一度、お互いにガッツリと話し合ってみたいと思っていたものですから、

今日は腰を据えましょうか。

先ずは乾杯をして、モロッコでの移動生活や、オーストラリアでのキャンプ生活などの話しを聞かせてもらいました。

「アーティストは、輝けるゴミかカスかクズだ!!(自分も)」
というところから、お話しが始まります。

これはもう、ワクワクしちゃいますね。


わたしたちに共通していた事は、

【長期計画派】

というところです。

ここの感覚が噛み合う人って、なかなか居ないんです。
むしろ初めてかも知れません。

どういう事かというと、
「夢」や「目標」として掲げたことは、
時間をかけてよければ、絶対に手に入ると思っています。

絶対に手に入れる目標をシッカリ定めていれば、長期的に走り続けることができます。
何しろずっとずっと頭の中に居るので。

ですから、長期計画派からすると、
「すぐに結果を欲しがって待てない人が多過ぎるんじゃないかな?」
と思うことがあるのです。

逆に、思うような関係性を築く事が出来ず、自分のチカラの足りなさを感じてしまう事もあります。

失恋でもしたら、《長期計画派》は、1年でも2年でも平気で引きずり続けます。

自分の至らなさを責め続けます。

けれどその間に、

パワーの使いどころを自分の成長に向ける。

ありがちな自己啓発みたいですが、

哀しさも切なさも、死んでしまいたいくらいの落ち込みも 自分の成長に向け続けて、

最終的にブチ抜く事が【復讐=浄化】になりますからね。

真顔で言いますが、ものづくりはシンドイです。

最高に楽しく幸せで絶対に手を離さないという事を前提として、
自身の一部を削り続けているのだからシンドイです。

その覚悟で飛び込んで、続けられる環境に置かせてもらっています。

結局、信念を持っている人たちは、止まったところで辞められないし、
「辞めれないなら、命を懸けて、最高の音楽をして、それが最高に幸せ。」という、その先にあるかも知れない光(結局いい音楽を作るというプロフェッショナルな目的)に向かって、走り続けるしか道はありません。

シンドイを越えると「たのしくて仕方ない」になる。「それを伝えていきたい」になるかも知れない。

でもまたシンドイに飛び込む!!(笑)

それが挑戦し続けるということ。

「途中で手を離してしまったり、シンドイ前に辞めてしまった人には決して分からない。悪いけど。」

続けるのは、それくらいシンドイ。と感じています。


私はその答えが分からなくなって、日本中を「人に会いに」出掛けました。

他の人に対しては、最大に一途だけれど、結構ドライです。

それは結局のところ、「他者は他者であることが当たり前」と認めているからです。

自分を犠牲にするのではなく、信念を持って大切に信じていけるのであれば、
結局のところ、他人の価値観や違いや評価について(=他人軸)は特に何も気にならないからです。

違って当たり前ですもんね。いい意味で。

そうあることで、無闇に腹をたてる事も無いですし、

ありのまま、とてもナチュラルに優しく存在することが出来る気がします。

ぶつかり合う事が時間の無駄とおっしゃる方もいますが、
わたしは、そうも思いません。
ぶつかり合って"違い"を感じられたときほど、貴重な意見を吸収できたりするからです。
(欲望のままの裏切りはダメですけどね。)

「今は大人になれて最高だね!」

と私たちは、透明なサイダーを傾けました。

「ねえ、秋になったら私と一緒に旅行に行かない?」
世界を旅するヴァイオリン弾きの子からの思いもよらぬその提案が、

私の心を弾ませてくれます。

旅行に一緒にいく人がまた出来て、嬉しいなと思えるのです。

「いいねえ!!

 でもさ、

世界のどこかで演奏し続けてれば、また会うと思うよ!

あなたもそう思わない?」


ぶん・しゃしん 前田紗希(@nagareruiota


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【studio iota label】

日本の音楽レーベル。CDの制作・販売、旅のWEBコンテンツの発信、企業のWebライティング、 動画BGM製作、アーティストや お店などの写真撮影、作曲・編曲事業、レコーディング・ミックス事業を行っている。

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