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小学生のための、日記を面白く書く方法

小学生の日記の宿題というのは昔から定番で、夏休みなんかは嫌だった記憶が残っている人も多いかもしれない。

場合によっては家庭の事情を学校で晒してしまうことにもなるため、日記を書かせるというのは賛否が分かれている。

大人のSNS投稿と同じで、リア充家庭は、楽しい思い出を書きやすいが、そうではない家庭の子にとっては、なかなか苦しいことになる。

うちの子達もご多分に漏れず、3人の子がそれぞれのタイミングで日記の宿題というのは未だにでている。どんな状況であれ、面白く日記を書くために、子ども達に教えているのは以下の通りだ。

我が家流の日記指導

だまって書かせると、とくに低学年は、こんな風になりがちではないだろうか。

家族でラーメンを食べに行きました。お父さんはみそラーメンを食べました。お母さんはしょうゆラーメンを食べました。ぼくもしょうゆラーメンを食べました。おいしかったです。また行きたいです。

あるあるでしょ?
とにかく記憶にあることの端的な羅列。最後に、「おもしろかった」とか「おいしかった」とか、ワンワードの感想を付けて終わり。

ジャンプするポイントを意識する

文章の基本は、起承転結ということは昔からよく言われる。それは確かに正攻法なのだけど、小学生がそこまでブロック構成を意識して文章を組み立てることは難しい。

そこで、書く前に「転」だけ意識することを勧めている。ただし、注意点がある。

「転」というのは、エピソードを見つけること自体とても難しい。作文が苦手という以前に、毎日あたりまえの日常の中でドラマチックな「転」になり得るエピソードに気づくことが難しいのだ。

そこで、起承転結を「ホップ→ステップ→ジャンプ→着地」と言い換えている。ちなみに、三段跳びのイメージが湧いていない子だったら、Youtubeで検索して見せてやるといい。

「転」が大事ということは、「ジャンプ」の部分と言うことだ。文章のクライマックス。一番メインのところ。先ほどの、ラーメン屋さんの日記も、「ジャンプ」がないから、伝わらない文になってしまう。

ラーメン屋さんの具体的に何が、一番言いたかったところなのか、それをはっきりさせて、なおかつ具体的な言葉にしてから書き始めた方がいい。

ディテールとムービーを書く

全体を通じて、とくに、ホップ、ステップの部分はどう書くべきか。ジャンプの前段部分だけど、読み手に映像が浮かぶことが重要だ。

場の雰囲気、登場人物の様子、態度、台詞など。そう言ったものはジャンプの部分とは関係がないが、読み手に映像を見せて文書の世界に引きずり込むためには、必要な準備となる。

また、特に子どもは紙芝居のように止まった絵を想像して文章を書いてしまう。
たとえば、「先生が教室にきました。」ではなくて、「先生は『おはようございます!』と言いながら、スタスタと早歩きで教室に入ってきました」と動きや台詞、擬音語をいくつか足していくと、急に読み手にもムービーが伝わるのである。

お土産話を用意する

着地の部分は、落語で言えばオチを付けなければいけない。最後に笑わせるというのは、かなりの上級者だけど、ふつうの小学生にそれは難しい。

そこで、誰かに教えたくなるような自分の「気づき」や「想いを」書こうと言うことを話している。

それらを踏まえて、先ほどの日記を少しだけ発展させて、こんな風にしたらどうだろうか。

・お店の様子やお父さんの言動を加える。
・みそラーメンのおいしさを知ったことを「ジャンプ」に設定する。
・食わず嫌いをしない方がいいという「気づき」

買い物の帰りがおそくなったので、家族でラーメンを食べていくことになりました。家族でいつも行くラーメン屋さんは、古い建物だけど、ラーメンはとてもおいしいお店です。少し混んでいたので、15分くらい並びました。
お父さんはいつもみそラーメンを注文します。「こってりしていて、面が太いのがうまいんだ」とお父さんは言いました。ぼくは、しょうゆしか食べたことがありません。今日もしょうゆラーメンはとてもおいしかったです。
ぼくは、みそラーメンをたべたことがないないけど、あまり好きじゃないと思っていました。最後に、お父さんのみそラーメンを少し味見させてもらったら、おいしくておどろきました。次に行くときには、ぼくもみそラーメンにします。もっと、好きなものがあるかもしれないので、これからは食べたことがない物も、いろいろちょうせんして食べてみようと思います。

文面は幼稚でも、これくらい書ければ、映像が伝わるんじゃないだろうか。

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話は盛ってもいい

みそラーメンのおいしさに目覚めるような事件が起きなかったらどうするか、ということもあると思うが、それは「文章が面白くなるように創ってもいい」と言っている。

事実を創作してしまったら、日記ではなく小説になってしまうが、自分の気持ちはあとからいくらでも日記の中で創作できる。しかも、事実のウソを書くのは良くないが、起きたことに対してこのように感じたという想いは、どのタイミングで創作しようと自分の想いであることには違いない。

みそラーメンを味見した瞬間に、今後は食わず嫌いをやめようと思ったわけではないかもしれないけど、後付け創作で日記にかいてもかまない部分だ。

まとめ

エピソードの中でジャンプするポイントを具体的に決めてから書き始める。
相手に映像を見せるように書く。
そのエピソードを通じて感じた、「気づき」や「想い」で締める。

これが簡単かといえば、小学生にとってはけっこうハードルが高い。
あとは、練習ということになるが、作文が苦手という子が少なくともひとつ解決出来ることがある。

とりあえず楽に長い作文を書ける。

文章が短すぎて筆が進まないということはなく、慣れてくると余計なことを書きすぎてポイントをまとめる方が難しくなる。ただ、書けずにいるより、どんどん書いて贅肉を落とす方法を覚えた方が、効率よくブラッシュアップできる。

最近だと小2の次男が、毎週末、日記の宿題が課されている。
「どこにも行かなかったから書くことない」なんて言うが、家でやったことだって書きようによっては、いくらでも面白く書けるということを伝えながら取り組んでいる。

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