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『花の鎖』と「きんつば」

昨日から、無性に「きんつば」が食べたくてしょうが無かった。

なんでそんなことになったかというと、なんとなく読み始めた、湊かなえの『花の鎖』のせい。

これに出てくるキーアイテムとして、きんつばが出てくる。

小説のなかでは、商店街の「梅香堂」という和菓子屋さんの名物になって親しまれている。

冒頭のエピソードから「梅香堂のきんつば」は登場し、第2章、第3章と読み進めても、ずっと、きんつばはストーリーに絡んでくるのだ。

きっと、著者がお気に入りの、きんつばが美味しいお店がモデルになっているんだろうなぁということを想像しながら読んでいたのだけど、我慢できずに検索したらやっぱりそうだった。

文藝春秋で、件のインタビューをされていて、「近所の和菓子屋で売っているきんつばが、おいしいんですよ。」と答えている。

というわけで、僕は、昨日からどうしてもきんつばが食べたくて、家族に相談してみると、「えー、きんつばより、ケーキの方が食べたい」とあっさり言われた。

確かに僕はとても甘党で、お菓子は和洋問わず。
生クリームも餡子もすきだ。

しかし今回は、甘い物なら何でもいいというけじゃなくて、きんつばじゃなくてはダメだ。

もう、きんつば食べるまで仕事なんかしたくないからねーくらいの、勢いで欲していたが、そういうわけにもいかず、それなりにやるべきことはやりつつも、昨日は食べそびれた。

そして、今日は、少々外回りの用事もあったので、そのついでにお菓子屋さんに寄り、念願のきんつばをゲットした。

至福。

きんつばは、羊羹ほど水っぽくないし、饅頭ほど乾いていない。
したがって、お茶のペースが強制されないというのが、僕の中ではポイントが高い。

そして、お客さんにも出しやすいし、食べやすい。
綺麗に切るのが難しいとか、手を汚さずに食べずらいとか、そういうお菓子は、味が完璧でも、なかなか買う機会が少ない。

多方面から考察して、きんつばは和菓子のなかでもパーフェクトなお菓子である。

余談だけど小説の話。(こっちが余談かよ)

女性作家の本って、僕は苦手だという意識があった。

好き嫌いじゃなくて、読みずらいのだ。
たぶん、登場人物の女性の心理描写がリアルで、自分が同調しずらいのかなと推測している。

この作品を読み始めたときも、若干そのように感じた。

3人の女性のストーリーがパラレルで描かれるわけだが、結局、きんつばのおかげで、僕はこの作品の大ファンになってしまった。

少なくとも、きんつばがでてこない、別の湊かなえの小説は読むと思う。

まあ結局、僕が話したかったのは小説のことではなくて、きんつばのことなんだけど、この小説は素晴らしく面白いということは、改めて付け加えておく。

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