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店長の本当の仕事

ある京都のホテルでのこと。

完成したばかりなのでしょう、スタッフの対応がいちいち遅く、わかりやすく全てが真新しいので、「ま、仕方ない(来年にはdのホテルも完成して、こんな感じの新人感をさらけてしまうのだから・・・・・」と、我慢しました。

しかし、一番気になったのは「スタッフの表情」です。

誰も笑顔もない。とにかく緊張しているのでしょう。微笑む余裕もないのでしょう。
このホテル、デザインも品がよく設備や立地もいい。ある仕事で京都に呼んでくれた方が取ってくれたホテルで、その方のセンスも十分に感じられました。複雑に思ったのは、その方の人柄(最高です)と、その方が手配くださったこのホテルが「一致」しないのです。

そして思うのです。もし、この方とホテルが一致したら、この京都の仕事など含め、ほんとうに素晴らしい滞在になる。一直線に繋がる。そして、こうも思います。スタッフはホテル関係の研修を受け、多分、いきなり現場に立たされているとしたら、このホテルを考え、やりたいと思ったオーナーやマネージャーがお客の間に挟まる期間が必要で、スタッフはお客さんとオーナーとのやり取りをみて、「自分が務めるホテルの性格」を感じ取った方がいいと。

つまり、緊張しながら「どんな個性で立ち回ればいいか」が、わからない。だから、笑っていいのかすら判断がつかない。その手本がないのでしょう。


僕は猫が好きで家にも飼っていました。ペットショップで買ったものですが、なかなか人になつきません。一方、地方の島なんかに旅をすると、スリスリと人懐っこく擦り寄ってくる野良猫がいて、こういうのが欲しいなぁっていつもワガママ思います。

そう妻に言うと「野良猫は子供の頃、人間と親猫の様子をみているから、人間はやさしいって知っている」という。

この話を先のホテルの時に思い出したのでした。子猫たちであるスタッフは、お客である人間とどう接していいか、親猫であるオーナーの様子を見ていないのです。
店長やオーナーって、その「お客さんとの接し方」をまず徹底的に見せることが仕事なのでは、と、思いました。

僕もできるだけ(全然、出来ていませんが)、店にいるときはお客さんに声をかけるようにしています。そして、できるだけスタッフにそれを見せるようにも。
どれくらいフレンドリーにするのか。どれくらいどうもてなすのか、を。

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ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

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