見出し画像

残り49パーセント

d design travel「岡山号」をクラウドファンディングで実現したいのです。

47都道府県分、47冊のトラベルガイドを自費で作っています。スタッフは編集長とデスク、広告営業の3名。2ヶ月間住み込み、「その土地らしい場所と人」を24つ探し出し、その理由を書くという、少し変わったガイドです。このトラベルガイドの大きな特徴は3つあります。


1・「その県らしい場所、人」だと確信してから取材申し込みをします。

普通の雑誌、トラベル誌はネットなどでリサーチして、媒体資料とともに取材申し込み、日程を決めてライターやカメラマンで取材しますが、この雑誌はテーマが「その県らしさ」なので、約1ヶ月間編集長が滞在して、「その県らしさ」とは何かを感じ、「そんなレストランとは、ホテルとはどこか」と、探します。

ひたすら住人に聞き、実際に必ずその場所に行き、普通に食べたり買ったりしてお客さんとして体験します。普通、そんなことをいちいちしていたら、取材費がかさんでしまうのでしませんが、僕らはそこに時間とお金をかけます。トラベルガイドのほとんどは、当然「商売」で作って書店売りします。

画像1


当然、人気の県が出版されます。僕らの雑誌のそもそもの目的は、「日本じゅうが同じような風景になっていく」ことに対する問題定義からです。人気のお寺が現れたら、それと似たことをやる。人気のお祭りがあったら、コピーしてやってしまう。街の施設なども、ヒットしている商業施設を調べて自分の街にも取り入れる。

一見、良さそうに見えますが、とても短命な発想で、「その土地らしさ」はどんどんなくなっていきます。僕のふるさとにスターバックスが出来るという噂が起こりました。その時、賛成する人が大多数でしたが、反対する人もいました。もちろん、スタバを悪く言うつもりはありませんが、小さな町です。

そして、住人にはなかなか見えない昔からある個性的なカフェや食堂がありました。反対派の言い分は、「町に長くあるカフェを誘致すべき」と言うことでした。もちろん、全国的に有名なカフェが自分の町にやってくると言うワクワクはあります。しかし、スタバは全国いたる所にあります。

画像2

画像11


この選択は人それぞれだとは思いますが、住み慣れたふるさとに東京など就職先から戻ったとき、あなたは都会にあるような場所に行くでしょうか。もちろん人、それぞれですが、「その土地らしい場所」が、実はそこに暮らす人たちにとっての、心の風景だとしたら、みんなでそれを意識して、そこを上手に残しながら、街の未来像を作っていきたいものです。

と言うことで、まずは、体感してから、確信してから取材の申し込みをします。時間はかかりますが、その土地の未来のためにしっかり調べて、「選び出し」て、取材します。

クラウドファンディングでの応援はこちらからお願いします。
https://readyfor.jp/projects/dokayama


2・47の日本を全てを公平な条件で作ります。

私たちD&DEPARTMENTの「活動」として代表するのは、この「d design travel」と東京渋谷の商業ビル「ヒカリエ」8階で運営している「d47」があります。

47都道府県を万遍なく、公平に同じ条件で紹介する。普通はどうしても人口の多い都市や観光地にスポットライトは当たりがちですが、私たちはあまり人気のない県にこそ、実は個性豊かなものがたくさん潜んでいることを長らく取材していく中で知っています。

だからこそ、d47の活動の一つ「d47MUSEUM」のような、90センチ角の展示台という同じ大きさのものを47台使い、1つのテーマで毎回、展覧会形式で日本の個性をプレゼンテーションしています。ここでは一人でも多くの人に見て知ってもらいたく、入場料を無料としています。

画像12


今では短時間に日本の今を知れる場所として、外国人観光客に人気の場所となっています。正直な話、経済力、観光力のある都道府県の号は「広告」収入を稼げますが、d design travelはどの号でも広告ページ数を決めています。また、「広告収入に依存しない」というルールもあります。

あくまで作ったものが売れた実売で出版を続けていく。そのためには、その土地の人たちにこの雑誌の趣旨を伝え、賛同を頂き、決めたページ数の広告を「応援」と位置付けて頂きすぎない。これは本音ではやりくりしていく中では少しでも収益は欲しい所ですが、「全ての都道府県を公平に」作っていきたいからこそ、頑張っています。


3 ・出来るだけ地元の人を巻き込んで作ります。

最初に書きました通り、この雑誌の目的は「その土地の個性を大切にすること」です。長くそこに住んでいる人々には、実は当たり前すぎて特別な、大切なことだと気づけなくなっていることが多いと感じます。

よそ者である私たち編集部が、その土地を感じ、「その土地らしさ」を探し出し、一冊にまとめる。この編集リサーチ作業を、なるべく多くのその土地の方々と行うようにしています。結果として本がたくさん、特にその土地の皆さんに購入して頂けると嬉しいのですが、もっと重要なことは、当たり前のように昔からある土地の個性に気づくということ。

画像3

画像4


そして、隣のヒットした施設やイベントを真似することが、実は未来の故郷をダメにしてしまうということにも、気づけるようになることなのです。ある土地でカフェレストランを開業しようと準備していた方がいました。何かのきっかけで、私たちの雑誌の公開編集会議に参加したその方は、「危うく、どこにでもある人気カフェを作ってしまうところだった」と、私たちにお礼を言ってくれました。

どこにでもあるような都会的なレストランは、次から次へと増えていくでしょうけれど、その土地の個性になぞらえたレストランは、一見地味ではありますが、その土地の人たちを中心に、憩いの場所として愛され、ふるさとに戻った人たちの「ふるさとを実感できる場所」となっていきます。

私たちの雑誌は、「その土地に住む皆さん」に多く購入頂いています。中には10冊、20冊と買われ「親戚に配ります」と言ってくださる方もいます。そんな方々に出会うと、このプロジェクトを続けていく意欲がますます湧きます。

画像5

画像6


クラウドファンディングでの応援はこちらからお願いします。
https://readyfor.jp/projects/dokayama


私たちに47冊を作らせてください。

現在、クラウドファンディングを使い、30ヶ所目の「岡山県」の制作費を集めています。この雑誌は環境保護の観点からも刷り部数をなるべく抑え、書店から返本されたものも「リサイクル本」として再販売しています。そして、この活動の趣旨が「商売」ではないことから、これまで純粋にルールにしたがって制作してきました。

画像9


本を作って「商売ではない」というのは、かなり変な話ですが、商売で考えていないから、続けられています。私たち編集部も純粋に「日本の個性を守りたい」という思いで制作できています。さて、現在の最新号は29箇所目の「愛媛」号。47都道府県ですから、残り18県です。1年に2冊づつ作っていますので、あと9年かかります。

画像8

画像11


達成率は約半分。制限時間も残りわずかとなってきました。もちろん、資金が集まらなくとも、私たちは自力で発刊を続けようと考えています。しかし、それにも限界があります。というか、どうでしょうか。このかなり無茶な、しかし、日本の47の場所に必要な本の制作に関わっては頂けないでしょうか。

毎号数百万の赤字ではありますが、号を重ねるたびに、まとめてその時に出ている号を全て買われる方や、図書館に紹介してくださる方、書店ではない店舗での応援購入など、「らしさ」への共感は広がりつつあります。クラウドファンディングで集める金額は私たちの人件費を含む全費用の約半分。

残りは販売したり、応援広告を頂いたりしてなんとかします。ぜひ、残り18冊、9年間かかるプロジェクトにご支援お願いします。一緒にゴールを切りませんか。

そして、ぜひ、47冊揃えてあなたの書棚にも。

d design travel発行人
ナガオカケンメイ

画像10



クラウドファンディングでの応援はこちらからお願いします。
https://readyfor.jp/projects/dokayama

ここから先は

0字
ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

ナガオカケンメイの考え

¥1,000 / 月 初月無料

あの「ナガオカケンメイの考え」の続編です。基本的に怒っています。笑なんなんだょ!!って思って書いています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?