長岡と映画館とキネマ旬報ベストテン

 ふと、こんな記事を見つけた。


 キネマ旬報ベストテンに選ばれた作品がどれぐらい上越市内で上映されたか、という内容。その意図は、

上越地域でどんな映画が上映され、見られているかをベストテンと比較することにより、おおよその文化度が見えてくるのではないか(上記記事より)

 という。

 ところで、上越は高田世界館、新潟の場合はシネウインドという、いわゆるミニシアターがある。新潟県では第三の都市である上越が比較的多くベストテン作品を上映出来ている理由はそこにあると言っても良い。が、同じ新潟県で第二の都市のはずの長岡にはそれがない。

 もっとも、長岡はシネコンですら上越はおろか三条にも遅れを取ってしまっていた。2007年にTジョイ長岡が出来るまで、長岡市民は“話題の最新作”を観るためにわざわざ三条に行かなくてはならなかったことを思い出すと、今は随分とマシな方なのである。
 (ただし、映画館が全くなかったと言う訳でもない。2007年まではシネマチャオが唯一の長岡市内の映画館だった。Tジョイ長岡のオープンにより閉館) 

 とはいえ。新潟県第二の都市であるはずの長岡にミニシアターがないということの弱さを、上越のこの記事を読むとつぐつぐ感じてしまう。実際、今年のベストテンのどれ程が長岡で上映されただろうか。外国映画は多い印象を常に持つが、日本映画に関しては恐らく半分にも満たない。例年そうである。大手が製作する映画のベストテンに入る割合が少ない昨今、ミニシアターを持たない長岡では、上映された作品でベストテンに入るものが自ずと少なくなってしまう(ぶっちゃけ、制作大手の方が本気出してくれよと言いたいところだが)。

 ところでこの上映率調査は2009年から行われているらしい。2015年度、高田世界館が連日の上映を始めた年を振り返った記事には次のような記述がある。

映画に限って言えば、県都・新潟市とほとんど差がなくなったと言えるのではないか。(上越タウンジャーナル 「<第7回> 2015年の上映映画でみる上越の文化度は?」https://www.joetsutj.com/articles/81541107 より)

 長岡は映画に限って言えば、新潟どころか上越にも差を開かれているのではないか。何もキネマ旬報ベストテンだけが全てではないことは前提にしないといけない(過去の記事でもその点は触れられている)が、考えたくなる課題である。

 

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